シーナリィの製作~自宅レイアウト⑥

秋が深まってずいぶん涼しくなってきたので、このところ自宅レイアウトのシーナリィ製作を進めています。少しずつ進めてきた山肌の植林と緑化の工事もだいぶ進みました。やはり数が勝負の植林作業で、岐阜鉄道模型クラブの会長さんに頂いた沢山の木が助かりました。自分が考えた発泡スチロールや紙粘土を塊にした緑の表現も進んできています。この紙粘土はシーナリィの山肌にしっかりと接着できたので良かったです。山肌に付けた紙粘土がしっかりと乾いてから、アクリル絵の具で下地色を塗るのも上手く塗ることができました。ずっと放置状態だった山肌表現作業のエンジンがやっとかかった気がします。

上の画像はシーナリィ付きレイアウトを向かって右方向から撮影したものになり、交流電気機関車EF70が牽引する上野発福井行き、急行「越前」になります。シーナリィ線区のイメージが北陸本線の倶利伽羅峠なので、この赤い電気機関車がよく似合います。天賞堂製になり、10系の客車はトミックス製です。

上の画像はシーナリィ付きレイアウトを向かって左方向から撮影したものになり、683系交直両用特急形電車の離合シーンになります。左側はトミックス製の683系サンダーバードの9連、右側は日本車両夢工房製の683系2000番台特急「しらさぎ」になります。発売と同時に名古屋の栄に以前あった「日車夢ステーション」にて購入しました。買ってから17年も経ちましたが、まだ新品同様の状態で快調に走ってくれています。実車は残念ながら289系直流特急形電車に改造されてしまいました。北陸新幹線金沢開業で余剰となった車両が改造されたようです。この電車が485系に替わって登場した時は、米原駅まで撮影に行ったものでした。

上の画像は381系直流特急形電車の特急「しなの」になります。エンドウ製を持っており、先頭車のクロ381-10をクロ381-50に替えて運転しています。現在、岡山から出雲市間を走っている特急「やくも」にも使用されている機械式の振り子電車です。カーブに合わせて車体をカーブ内側に傾けていく方式で、カーブ通過時のスピードを速くできた電車でした。ただ、大きく揺れることから「乗り物酔い」する乗客が多かったようです。自分は中学生の頃に亡き父親と名古屋~松本を往復して乗車しましたが、酔うこともなく振り子式を楽しめました。※以上の画像は動画を撮影したものです。

シーナリィの話に戻します。現在植林作業を続けていて、だいぶ山肌らしくなってきました。あともう少し木々を増やしていき、ライケンという草を表現する素材を使って山の「モコモコ感」を表現していこうと思います。この線区の架線柱は、以前にも紹介したようにマグネットを使った着脱式にしています。取り外しができることで、レールクリーニングもやり易くなります。そして、架線柱を取り外したら非電化路線が再現できるようにしています。私の鉄道模型友人の1人が、架線柱の替わりに「ハエ叩き」を置いてみたら?というアイデアをもらって、この度やっと津川洋行製品の「ハエ叩き」キットを購入して製作してみました。この「ハエ叩き」とは鉄道通信用の電柱のことで、形状が蠅叩きに似ていることからこう呼ばれるようになりました。キットを製作して「レッドブラウン」のカラースプレーで塗装し、碍子の部分は白で筆塗りしました。そして台座はちょうどカトー製品の架線柱のキットの台座がぴったりと合ったので、それをカットして使うこととしました。裏面には板磁石をカットして接着しています。

「ハエ叩き」の高さは、写真を見ているとだいたいは鉄道車両の2倍の高さのようで、実際に車両と合わせてみると、やや低めのようですが製品のままで使うことにしました。下の画像が「非電化区間」にしたシーナリィ付き線区になります。たいへんすっきりとした感じとなり、車両も眺めやすくなりました。

非電化区間ならやはり「単線」が良く似合うところですが、そこは鉄道模型のメリットです。非電化区間の複線区間を表現しているということにしたいと思います。北海道の函館本線などは複線の非電化区間もあったと思います。そして東海道本線でも特急「つばめ」は、かつて名古屋から大阪までは複線非電化区間をC62形蒸気機関車牽引で走っていた頃がありました。このように非電化区間を表現していくと、やはり蒸気機関車牽引列車やディーゼル機関車牽引列車、そして気動車を走行させたくなってきます。電化区間とは打って変わって趣あるローカル線の雰囲気や古き良き時代を偲ぶ雰囲気を楽しむことができるようになりました。また手持ちの鉄道模型から非電化区間のエースたちを存分に走らせて楽しみたいと思っています。そして今日は岐阜鉄道模型クラブのお1人から、以前にも書いた「今須トンネル」のシーナリィ付きモジュールを譲り受けました。大変見事に作り込まれたモジュールで、山の表現が自分よりリアルに作られています。自分のレイアウトの1つのカーブ部分に何とか納められるように工事をして行きたいと思っています。まずは現物合わせで構想を練っていきます。大変見事なトンネルモジュールを頂けましたこと、この場をお借りしてお礼申し上げます。ありがとうございました。

自宅レイアウトの非電化区間を往くC62牽引の特急「つばめ」とD51牽引の貨物列車。蒸気機関車は共に天賞堂製、C62はプラスティック製品、D51はカンタムサウンド機能搭載機。トンネル入り口の架線設備を隠す必要がありますね。

シーナリィの製作~自宅レイアウト⑤

このところ実物鉄道写真関係ばかりを上げていたので、そろそろ鉄道模型の話題の記事を書くことにしました。1昨年12月より自宅の16番ゲージのレイアウトに、新しくシーナリィ付きの線区を製作しているところです。ある程度まで製作していて、山肌の表現のところでストップしてしまいました。実際の山々を見て参考にしてみたり、電車に乗った際には沿線の山や山肌近くの木々の様子を見てはレイアウトへの思いを膨らませていました。季節が進んできてようやく秋らしくなってきたので、腰を据えてシーナリィ工作を再開することにしました。

シーナリィ付き線区を683系2000番台特急「しらさぎ」が走り抜ける。

自宅レイアウトを見てくれた鉄道模型友人の一人は、「山肌は色を塗っただけでいいのでは」とアドバイスしてくれましたが、自分としてはやはりある程度は植林して山肌らしく表現してみたいという思いがあってずっと思案してきました。このレイアウトでは、山肌が切り立っているのが製作を遅らせた大きな要因でした。いろいろ考えた結果、樹木は従来通りのやり方で製作していき、山肌にそのまま張り付けていくようにしてみました。さっそくいろいろな樹木をキットと素材(フォーリッジ)を使って製作していきました。また嬉しいことに岐阜鉄道模型クラブの方から沢山の樹木を頂いたので、それらもアレンジして使っていくことにしました。

樹木キットから作成した木々。

樹木キットに木工用ボンドをたっぷりと付けて、色合いの違うフォーリッジを付けていきます。そして一晩乾燥させたら樹木の完成です。たくさんの樹木が必要となり、延々と作業をしていくのも辛いので、1日10本程度として製作していきました。シーナリィ製作での山の表現は自分にとっては一番手間のかかる作業だと感じました。

山肌に植林していきます。

作りためた樹木を、山肌に一本一本接着していきます。山肌の色はあらかじめ深緑色で塗っているので黒っぽい樹木がよく映えるようです。知人から頂いた広葉樹は大変存在感があって良いアクセントになりました。樹木は背丈の高いものから低いもの、また色も薄緑から黒っぽい物まで様々なものを作っておく必要がありました。ある友人によると「建築模型」にも樹木があるようですが、全体のバランスを考えると今回の方法が一番合っているように思います。

少しでも木を付けると雰囲気が出てきます。

このところ毎日、10本ほどの樹木を植林していっています。木々が生い茂る山肌には、まだまだ程遠いですが、この度新しい方法を考えつきました。山肌に盛り上がって見える緑の表現に、発砲スチロールである程度の大きさに作った塊にフォーリッジを付けていくというやり方になります。発泡スチロールはカッターで小さな塊に切り、あとは手作業で表面を削って形を整えます。それを山肌に接着して深緑色で色付けをしておきます。乾いてから木工用ボンドをたっぷりと付けてフォーリッジを付けていけば完成です。樹木ばかりだと単調な山肌になってしまうので、この「緑の塊」も付けて立体的な山肌にしていこうと考えています。下の画像がその実際になります。

発泡スチロールを適当な大きさにカットします。
指先でむしって丸みを持たせます。
専用のボンドで塊を接着します。
木工用ボンドをたっぷり使ってフォーリッジを付けていきます。

以上のようにして、緑の茂った山肌を表現していきます。シーナリィの製作も「試行錯誤」をしながら作風を工夫するのも楽しい作業と言えます。下の画像はトンネルの山に新たに樹木を付けた様子になります。これまでのフォーリッジだけの表現よりも、より立体的になり山らしくなったように思います。

トンネルの山に高い樹木を植林しました。

幸いなことに仕事をリタイヤした今は時間があります。町内会の仕事もいくつか抱えてはいますが、趣味に使える時間のありがたさを痛感している今日この頃です。鉄道の実車を追いかける趣味も良いですが、模型製作も大変楽しい時間を過ごせます。今回はレイアウトのシーナリィ製作ということで、鉄道模型とは離れているように思えますが、実は同じ世界です。自分のようにある程度まで車両を所有していると、それらをいかにしてリアルに走らせるかが大きな目標となります。「鉄道模型を走らせる舞台」をリアルに作っていくと、走る模型も全然違ってきて、大変生き生きとしてリアルに見えてきます。そうなってくると車両に乗客人形を乗せてみたり、車両にウェザリングを施してよりリアルな車両を作りたくなってきます。また鉄道模型趣味の深い沼にはまってしまいそうです。鉄道模型が「終わりなき趣味」と言われる所以です。

鉄道模型知人から預かる予定のトンネルモジュール。

先日、岐阜県に住む鉄道模型知人の一人が、随分と歳をとってしまって使う機会が無くなったレイアウトの一部を引き取ってほしい旨の連絡を頂き、実物を見に行かせていただきました。ご自宅の離れ2階に自分のようにレイアウトを作られていました。所属されている模型クラブの運転会にはレイアウトを分解してトラックに積んで持って行かれていたそうです。この度レイアウトの鉄橋部分とトンネル部分を譲り受けることにしました。自宅レイアウトに上手く使えると良いのですが、大変大きいモジュールなのでおそらく大工事が必要になってくると思われます。でも何かのご縁なので何とかして利用したいと思っています。それこそ山の表現が大変参考になる見事なモジュールです。東海道本線の関ケ原越えにある「今須トンネル」をかなり忠実に再現されて製作されています。ということで、今回は現在のレイアウト製作の様子と近況を紹介しました。

ホームの照明をリニューアル

自宅レイアウトの駅のホーム照明には、これまで白色LED室内灯を連ねていましたが、鉄道模型友人が余った12ボルト用のテープLEDを譲ってくれたので、リニューアル工事をすることにしました。これまでの雰囲気も決して悪いというものではなく、夜の演出をしてくれていましたが、室内灯をむき出しで連ねていたので厚みがあり、しかも均一な照らし方には程遠いものがありました。そして配線もむき出しで見栄えも悪いお粗末なものでした。

今回はこの室内灯を撤去して、テープLEDにしていく作業をしてみました。まずは現状の照明の撤去からです。模型友人に手作りしていただいたこのホームは紙と木材で作られていて、屋根部が取れるようになっており分解ができます。しかも驚いたことに、ホームの屋根下には12ボルトのテープLEDが収まるように溝が作ってありました。おかげでぴったりと溝に納めながら貼っていくことができました。今回はマスキングテープでの仮取り付けなので、後には両面テープでしっかりと固定させていきたいと思います。

実は今回が初めてのLEDテープの使用になりました。よく見るとところどころに半田付けで連結している箇所があり、そこで切断しても使用には大丈夫ということも実験してわかりました。また給電は12ボルトまでの電圧で走行用のパワーパックから行う方法にしています。その際に+と-の極性があり、間違えないように結線する必要がありました。いろいろ勉強になることも多くて楽しい工作となりました。パワーパックで給電するので、好みの照度に調整することができます。だいたいパワーパックの8目盛りくらいの出力で良さそうでした。

ホーム途中の階段とエスカレーターがあるの部分は、LEDテープを仮に通しているのではみ出しています。今後は、部分ごとに短くしたLEDテープを半田付けで繋いでいき、すっきりさせたいと考えています。LEDテープ化したホームは照度が均一になり、ホームに作られた飲み物の自動販売機やお弁当屋さん、階段とエスカレーター、そして椅子などが生き生きと照らし出されて大変実感的に見えるようになりました。LEDの色も暖色系なので、良い具合に照らしてくれています。この時発見したことがありました。何と階段の一段一段には注意喚起の文字や広告まで表現されていたのです。

米原駅新幹線ホームの独特の風防ガラスの表現も大変リアルにライトアップされるようになりました。実は、今日このホームを製作してくださった方が自宅にお見えになり、改めて照明をリニューアルしたホームを見てもらうことができました。製作者も大変喜んでおられました。ようやく照明を変えることができて良かったと思っています。これからも少しずつレイアウトのバージョンアップをしていきたいと思います。

シーナリィの製作~自宅レイアウト④

昨年12月から製作している自宅レイアウトの新線部分。前回はトンネルのリメイクについて書きました。あれから新線の製作も毎日少しずつは進めてきました。今回は現在の進捗状況についての記事を載せます。シーナリィ製作では線路のバラスト敷き、トンネルリメイク、神社の設置(これは自分の鉄道模型友人が製作して下さいました)までは割とすいすいと進められましたが、レイアウトで大きな部分を占める、裾部分と山肌の表現が難しい製作の課題となりました。製作するにあたり、敦賀赤レンガにある鉄道ジオラマを見に行ったり、実際の北陸線沿線の動画を何回も見たりしながら工作のイメージを作っていきました。たどり着いた製作の方法は、裾部の上半分はジオラマ作成材料のフォーリッジやターフ、パウダー等を使用して草むらにしていき、下半分については緑の表現はせずに、アクリル絵の具で岩肌風にしていくという案でした。これまでに購入しておいた緑色系のフォーリッジの色に変化をつけながら、木工用ボンドを使って張り付けていきました。そのうえに緑色系のパウダーも付けながら作業していきました。材料がパラパラと落ちてしまったり、ボンドも垂れてしまったりと毎回床が見事に汚れ、まるでアトリエのような状態になってしまいました。そして作業の終わりには好きな車両を走行させて動画に撮影してチェックを繰り返しました。また、深緑一色としていた背景の板も、ライトブルーのラッカースプレーをまばらに吹いて空のように表現してみました。

何日かかけて作業を続け、ようやくこのような形になってきました。やはり色を塗っての表現よりも、立体的なジオラマ製作用の材料を丁寧に付けていくことで、断然リアルに仕上がっていきます。毎回試行錯誤の繰り返しではありますが、自分が納得できる作業ができた時は嬉しいものです。

さて最後の製作は「山肌」です。緑系のアクリル絵の具でそれらしく塗るのもいいかと思うのですが、幸い自分にはたっぷりと時間があるので、やはり木々を作ってリアルな山肌にしていきたいと思っています。家に来ていただいた鉄道模型友人のアドバイスや製作の専門書を見ながら、また試行錯誤して製作していくつもりです。

最近になって木々の試作を始めました。手持ちの樹木製作キットを使って、長さを短くカットして、それにこれまで使ったジオラマ作成材料を木工用ボンドで付けています。山肌の上の方は、山肌に木を張り付けるようにして表現してみたいと考えました。何本か重ねていくことで生い茂る山肌にならないかと思ったわけです。まだまだ時間がかかりそうですが、内職のようにして木の製作作業を続けていろいろな木を製作していこうと思っています。山肌がある程度形になってきたらまた記事にしたいと思います。

シーナリィの製作~自宅レイアウト③

新しい線区のシーナリィ製作を進めていくのにつれて、この線区に見合ったトンネルが必要になってきました。自宅レイアウトのコーナーに作っておいたトンネル部の修復が必要になってきたわけです。これまでのトンネルは打楽器の台を合わせてベースとして、その上に金網を付けて新聞紙やプラスターを付けた紙を張り付け、さらに素材(緑色のフォーリッジ)を使って山肌を表現していました。トンネル内で脱線等のトラブルや線路掃除の際には、この山肌ごと上に開けられるようにして作りました。今回の改修ではトンネルのベース板に新たに開閉式の扉を作ることにしました。ここを開けることでトラブルやメンテナンスに対応することができるようになります。 またこれで山の部分をしっかりと固定して製作していくこともできるのです。このトンネルのベースは不要となった打楽器の台を2枚あわせて利用していますが、それをしっかりと木ねじで固定しました。トンネルの入り口(ポータル)付近はスタイロフォームに紙粘土を盛ってそれらしい形を作り、シーナリィ用の素材(緑色のフォーリッジ)を張り付けて山肌らしく作りました。扉をつけたことで内部の下の隙間から光が漏れるようになったので、扉の下にはビニール製の板を張り付けました。やはりトンネルの中は「真っ暗」でなければなりません。この対処でうまくできました。ちなみにこのトンネルの名称は「北陸トンネル」として、イメージだけをいただいています。それは新しくシーナリィ製作している線区のイメージが北陸線だからです。実際に列車を走らせてみると、前照灯を光らせてトンネルから出てくる様子や尾灯を輝かせながらトンネルに消えていく様子が大変リアルで、素晴らしいものになっています。昔の童謡の歌詞に出てくる「鉄橋」と「トンネル」は、やはり鉄道模型のレイアウトにも必要なアイテムであり、鉄道模型を引き立てる脇役として大切になってくるものだと思いました。トンネルを改修したことで、新しく製作している新線とうまくコラボレーションしてくれるようになったと思っています。トンネルをレイアウトのコーナーに配置したことで、コーナー部分は山の表現を完全に省いてしまっています。このやりかたは鉄道模型レイアウト製作にはよく使う手法といえそうです。さて、次の製作は新線部分の山肌と線路下の裾野部分の表現になってきます。自分としては今どうしようかと悩んでいるところです。緑色のフォーリッジを張り詰めていくのも1つの方法と言えますが、やはり新線の向かって右奥に作ったような杉の木を参考にして、すこし短めの杉の木を張り付けるような形で表現していこうかと考えています。また、裾野部分は上半分だけ草木を素材で表現して、下の半分は茶色系のアクリル絵の具を使って岩肌の表現にしようと考えているところです。手法をあれこれ考えることもレイアウト製作の面白いところです。