自宅レイアウトの扇形庫~製作紹介

今回は、自分がかつて製作したレイアウトの「扇形庫」の製作過程を紹介させて頂くことにしたいと思います。鉄道施設の中でも、沢山の機関車が庫に収まっている扇形庫(ラウンドハウス)は大変魅力的な施設であり、鉄道模型でも欲しくなるアイテムです。自分もいつかは扇形庫を作ってみたいと思っていました。そしてその製作のきっかけとなったのは、東京銀座の天賞堂のエバーグリーンショップにあった中古のターンテーブルでした。買ったのはイタリアのリバロシ社製の「マンモスターンテーブル」で、7300円で購入しました。直流12ボルトで回転部もしっかりと動作してくれ、これは使えると思いました。2007年の5月6日に購入しました。

現在の扇形庫~自宅レイアウトにて~

上の画像がリバロシ社のマンモスターンテーブルになります。手前の赤い物がコントロールボックスで、12ボルトを給電するとスイッチで左右に回転していきます。それぞれの線路のところで停止する仕組みになっていました。

とりあえず手持ちの線路を繋いでみました。マンモスだけに沢山の留置線が作れるようになっていました。ベース板はレイアウトの線路の下にも使っている「OSB材」を使うことにしました。

上の画像のようにベース板はライトグレーの塗料で塗装しました。早速、蒸気機関車を置いてイメージを膨らませています。やはり扇形庫には蒸気機関車を沢山並べてみたくなりました。(2007.7.26)

これは石炭を置く施設を紙と木材で製作しています。石炭の表現には、発泡スチロールを使って黒で塗装しています。のちにこれは使わなくなりました。

地面をレッドブラウンでざっと塗装してみました。この後、モジュールとして知り合いの運転会に持参することになりました。通電スイッチを右下に取り付けて、裏面に配線をしています。(2009.3.21)

ちょうど当時、「100円均一」にトイレールの車庫が売られていて、それを塗装して各扇形庫に置いてみることにしてみました。1両毎の車庫になりますが、それなりに雰囲気は出たように思います。給水塔はスプレー缶塗料の蓋に塗装をして製作しています。施設の建屋は紙で作りました。(2009.4.27)

各車庫の上にかぶせて、庫を製作してみました。このダンボールは息子の学生服の箱を加工して使うことにしたものです。サイズがぴったりで大変ラッキーな素材でした。(2010.7.3)

車庫を覆った段ボールの上には、車庫の天井部分が出るようにして切り込みを入れました。ちなみに実際の機関区の庫にもこのようなスタイルの物があります。(2010.7.4)

ベース板を増やして、自宅レイアウトに組み込めるようにしました。レッドブラウンで塗装して、地面の雰囲気を出しました。これで一応の完成と言うことになります。やがて自宅レイアウトが専用台の上に乗りより本格的なものになってから、扇形庫のグレードアップをすることになり、地面から全てをリフォームにしていく決心をしました。手前にあるガントリークレーンはその導入としてキットを製作した物になります。(2020.4.27)

これまで線路はカトー製を使用していましたが、今回は篠原のフレキシブルレールを使用することにしました。ターンテーブルへは3線から入れるように設計し、フレキシブルレールを手曲げして敷設していきました。少しきついカーブになってしまったことが反省点ですが、何とかどの蒸気機関車も通過でき、ターンテーブルに乗ることができるようにしています。渡り板や砂焼き小屋、給水塔そしてガントリークレーンを設置していきました。ストラクチャー類を置いていくと、だんだん機関区の雰囲気が出てきました。(2020.5.9)

次に扇形庫の地面作りに取り組みました。コルクボードでベースを作り、その上からプラスターを塗っていました。乾いたらアクリル絵の具で地面の色を作って、その色水を薄く塗り重ねていきました。色を決めていくのが大変難しく、今回の扇形庫製作の一番の難所となりました。試行錯誤をしながら地面の色を作っていきました。(2020.6.28)

ようやく地面が完成して、蒸気機関車を置いてみました。やはり細部まで作り込むことで大変リアルな扇形庫に生まれ変わりました。

細部には「モデリングペースト」という油絵で使うものも使いながら、理想の色あいの地面に仕上げていきました。こうなるともう「アート」の世界になっていると感じた次第です。なんとか自分がイメージした地面の色に仕上がりました。(2020.7.19)

ヤード照明塔も加えて、給水塔やDL庫などはエンドウ製のストラクチャーに再塗装して利用しました。扇形庫周辺も賑やかになり現在の様相になっています。

扇形庫のリニューアル工事も終わって、なんとか第一機関区が形になったのは2020年10月の頃になりました。リバロシ社製のマンモスターンテーブルを入手したことで始まった扇形庫の製作は着手から13年の月日を経て完成となりました。やはりコツコツと製作をしていく事が見系製作の醍醐味と言えそうです。照明類は要らなくなった車両の室内灯を転用したりしています。まだまだ蒸気機関車が活躍する当鉄道にとっての「シンボル的」な扇形庫が作れたことに満足しています。今回の記事は以上になります。今回も最後までお読みいただきありがとうございました。