Kトレインワールド訪問記

2023年6月24日(土)に、かねてから訪れてみたかった香川県三豊市にある「Kトレインワールド」に行ってきました。館長さんは元中学校の体育の教師で、自分と同じくらいの年齢の方です。自分も教師をしていたので、親近感も湧いていました。フェースブックでも繋がっているので、事前に訪問することをお伝えしていました。ちょうど家族旅行で四国にも行く旅程を組んでいたので、土曜日に伺う予定を組んでこの日に訪れました。

場所はJR予讃線の「比地大駅」の駅前にありました。大変可愛らしい平屋建ての建物でも周囲には5インチゲージの線路が敷かれていました。実物の踏切警報機や観音寺の駅票にホームにある時計、ポイント信号機等が置かれており、0系新幹線の先頭部カバーや8000系特急形電車の先頭部カバーも飾られていました。ワクワクする館外のディスプレイの数々でした。期待に胸を膨らませながら、館内に入っていき受付を済ませました。

館内には所狭しと鉄道関連グッズが飾られており、16番ゲージとNゲージのジオラマレイアウトが目に飛び込んできました。そして館長さんは16番ゲージの車両をメンテナンスしておられました。声をかけさせてもらい名刺を渡して挨拶しました。予想通りの大変優しいお人柄のスポーツマンタイプの方でした。しばらくKトレインワールドのお話をお聞きして、館内を巡っていきました。そこには正に誰もが夢中になれるものばかりでした。

16番ゲージのジオラマレイアウト。

館内展示は特集コーナーを設けておられ、今回は「英国の鉄道」を特集した展示をされていました。館長さんは英国にも行かれたことがあり、大変興味を持たれているようでした。展示コーナーには英国のホーム表示の実物や各種蒸気機関車の模型、写真などが飾られていました。また片隅には館長さんが鉄道模型にのめり込まれた原点とも言うべき「初代プラレール」も大切に展示されていました。自分も持っていたので、大変懐かしく見させてもらい幼い頃に思いを馳せられました。16番ゲージのジオラマは地元のパノラマ展示を兼ねており、スイッチを押すと三豊市近辺の観光スポットが赤いランプで光るようになっていました。またジオラマカフェにもなっていて、コーヒーや紅茶にパイ等を楽しみながら見られるようになっていました。たいへん作り込まれた見ごたえのあるジオラマレイアウトでもこの日は外国形の車両が山線を快走していました。

今回の企画展示コーナーは「英国の鉄道展」。

自分のレイアウトの片隅にも電気機関車の運転台を模したコーナーを作っているのですが、ここにはキハ58形気動車の運転台さながらのマスコンハンドル(主幹制御器)とブレーキ弁ハンドル、メーターパネルも置かれていました。制服を着て制帽をかぶったら、四国を走っていた気動車の運転士気分になれます。また四国を走っていたディーゼル特急の本物のヘッドマークも沢山飾られていました。

館の奥の方には、キッズコーナーがあり、小さな子どもさんがプラレールで自由に遊ぶことができる場所もありました。あわせて電車の模型を走らせるゲームも置かれていました。さすがは長年にわたり教員生活をされていたからでしょうか、子どもさんにも楽しめるコーナーも充実していました。Kトレインワールドのテレビ放映番組で知ったことですが、ここの屋外にある5インチゲージの鉄道模型に乗った幼いカップルさんが、乗車にご縁があって大人になってから結婚されたという事があったようです。なんとも素敵なロマンに満ちた話に思いました。館の外周に敷設された5インチゲージは、別料金で乗ったり運転したりすることができるようでした。館長さんに車庫を見せて頂き、中には沢山の電動5インチゲージが格納されていました。毎回車両を変えながら運転されておられるようでした。石炭で走る蒸気機関車、ライブスティームも持っておられて、鉄道記念日等の特別な日にはご自身が運転されるようです。

旅の途中での慌ただしい訪問となりましたが、快く案内してくださった館長さんにこの場をお借りしてお礼申し上げます。また次回は腰を据えてゆっくり滞在させていただく予定です。

Kトレインワールドのホームページへはこちらからどうぞ。

自宅裏畑の5インチゲージ

2019年7月に、今は亡き鉄道模型知人から格安で譲っていただいた5インチと3.5インチゲージの線路を自宅裏の畑に敷いています。直径9メーターの曲線線路もなんとか敷くことができました。亡き友人とは敦賀鉄道フェスティバルで汽車会社として5インチゲージの乗用新幹線を出展されていた方で、元国鉄の機関士と運転士をされていました。梅小路蒸気機関車館の開館に御尽力されたともお聞きしました。自分もSTMC滋賀鉄道模型愛好会として敦賀鉄道フェスティバルに参加協力していて知り合いになりました。大変気が合って長浜に仕事に来られた時には一緒に食事もしたこともありました。今から約3年ほど前に、残念ながら癌で他界されてしまいました。今年はこの線路をしっかりとメンテナンスして、敷き直すことが大きな目標になっています。今は線路の下に木材のスペーサーを入れてとりあえず周回できる形にしかできていませんが、今後は線路の下は先日お邪魔させて頂いた蓮華寺のレイアウトのように、コンクリートを入れてしっかりとしたベースを作っていきたいと思っています。そしてその上に線路を敷設していきたいと思っています。ポイントレールも1つあるので引き込み線も作りたいと考えています。私の5インチゲージの車両は木製のキットを組み立てたもので、自動車用のバッテリー(12V)を2つ直列につないで電源とし、モーターをコントローラで走行できるようになっています。亡き鉄道模型友人からブレーキ付きの台車をいただいたので、それを利用してトレーラーを木材で自作しました。茶色のシートが付いた貨車は車体は亡き鉄道模型友人から譲っていただいた物で、台車は購入して取り付けています。自分(体重80キロ)と大人1人ないし子ども3人は余裕で乗車することができます。自分が乗って運転できるのは大形乗用鉄道模型の醍醐味といえます。ましてや小さな子どもさんを乗客にして自分が運転することは、本物の運転士になった気分で冥利に尽きる瞬間です。一度だけ保津川ライブスチームクラブで運転させてもらった時に、たまたま訪れておられた家族連れの子どもさんに乗って頂く機会がありました。この時の楽しかった思い出は今も脳裏に焼き付いています。いつか自分の孫を乗せて走るのは夢です。そしていずれは自分も石炭を焚いて走る蒸気機関車を入手して、自宅で走らせてみたいと思っています。とりわけまずはしっかり敷設した線路で、自分の車両を思い切り走らせることが一番の目標です。

鉄道模型キットの製作

鉄道模型趣味には好きな車両を組み立てる楽しみも大きいです。鉄道模型メーカーから各種車両のキットが発売されており、素材としては真鍮、プラスティック、ペーパー等になります。自分は好きな電気機関車ED70のカツミ製のトータルキットを以前に手がけたことがありました。真鍮製のキットでパーツの組み立ては基本は半田付けの作業になります。半田付け工作は失敗しても何度でもやり直せるところがメリットになります。実物写真を見ながら、あるいは実機を見ながら、いかにリアルに製作するかが醍醐味です。リアリティーを追及して、キットを加工しながら製作することも多く、自分もこの機関車のキットのパーツに改造を加えながら製作していきました。スカートの形状を変えて、電気暖房の装置を付けたり、前面の扉を埋めて、窓の位置をやや上に持っていったり、側面に電気暖房の表示を付けたりしました。また、製品のままだと、乗務員のドアはプレス表現なのでドア部分を開口して、新たにドアを真鍮で作って半田付けしました。より実機に近づけていくこのようなキットの改造は大変心躍る楽しい工作といえます。

キットのパーツはドアも一体となっていて、窓が抜いてあります。ドア本体はプレス表現でした。自分はドアの部分を金属鋸で切り取り、やすり掛けをして整えます。プレス表現よりはるかにリアルになりました。ただドアを抜いていく作業は大変で、ドアの四隅にドリルで金属鋸刃を通す穴を開けました。その穴に金属鋸を通して、丁寧に切除していきます。

当然ドアのパーツは自分で作らなければならないので、なかなか大変です。実物の画像を参考にして、何枚か同じパーツを作っていきます。その中から出来の良いパーツをチョイスして使っていくことになります。

画像を参考にして、ドアを固定する場所を決定して半田を流して固定していきます。 その後に、はみ出てしまった半田をキサゲやヤスリを使って丁寧に整えていきます。大変根気のいる作業になります。機関車の車体の半田付けが終了したら、いよいよ塗装になります。塗料は鉄道模型メーカーから専用カラーが発売されています。今回は国鉄赤1号という色のラッカー塗料をエアブラシ(コンプレッサーで塗料を細かく付けていく道具)で吹きました。下地の色と赤色の重ね塗りになり、下地色を何回か変えながら長浜鉄道スクエアに展示されている実機の色と合わせて色決めをしました。その結果、下地はライトグレーにしました。

天気の良い日に、エアブラシで塗装しました。赤く塗られると交流機関車らしくなってきます。しっかりと乾燥させてから、艶消しクリア(塗装面の保護剤)を吹き付けました。

赤を塗った後は、屋根部を艶消し黒で塗装していきます。次に屋上機器をマスキングしながら丁寧に筆塗りしていきました。前面下部のお鬚(警戒色の帯)も、マスキングしてから面相筆で丁寧に塗りました。前面右のマスキングテープは、ナンバーを付ける位置を示しています。そこへ機関車番号を付けていきます。動力のある下回りとスカート、屋上機器とパンタグラフ等を取り付けたらボディーの完成です。ちなみに下回りの動力部分は13ミリゲージのエンドウ製機関車用MPギアを使用しています。やはり思い入れのある機関車なので、狭軌感の秀逸の13ミリゲージで製作しました。長いプロセスを経て完成した車両を眺めるのは至福の時間です。そしてまた次の車両を作りたくなってしまいます。

上の画像は、完成した車両(自分のは左側)を長浜鉄道スクエアに展示してある実物ED701の前面貫通ドア下ステップに乗せて記念写真を撮影したものです。ちなみに右側の同機は千葉の鉄道模型友人が製作した模型になります。

新幹線祭り

2022年2月13日に、自宅レイアウトのホームを作って下さった方と、その方の職場の同僚で元新幹線運転士をされていた方お二人をお招きして自宅レイアウトで「新幹線祭り」と題した運転会を開催しました。この日だけは自宅レイアウトは1/87スケールの新幹線だけで埋め尽くしてみました。ホームが新幹線の米原駅をモチーフに作って下さっているので、新幹線車両はたいへんしっくりきました。

そもそもこの自宅レイアウトを作る際の構想は、外周線ないしは高架線に16.5ミリゲージの線路を敷いて「新幹線路線」として、在来線は13ミリゲージの線路を敷く予定でした。そのつもりで13ミリゲージのフレキシブルレールを沢山買ってストックしておいたわけです。高架案は壮大で、ホームごと上部に設営し、そこからの線路も高架にしていくという案です。在来線はホーム下に駅を作って、そこから発着していくという構想でした。鉄道模型友人のほとんどが16.5ミリゲージの16番鉄道模型をやっている方なので、この壮大な案は諦めて現在のようにすべて16.5ミリゲージの線路を敷きました。鉄道模型の新幹線は87分の1で作られていて、線路幅16.5ミリで実際の新幹線の線路、標準軌にマッチします。また、80分の1の鉄道模型、HOゲージでも実物が標準軌であれば、16.5ミリゲージでマッチすることになります。たとえば、私鉄の阪急電車、京阪電車、阪神電車、叡山電鉄、京浜急行などが標準軌(広軌ともいいます)で運行されています。13ミリゲージのフレキシブルレールが沢山あるので、いずれはそれを使って大きな組み立て式線路を作りたいと考えています。

新幹線祭りでレイアウトを埋め尽くした新幹線電車。左から100系、300系、T4ドクターイエロー、N700系になります。ドクターイエローだけは日本車両夢工房製品で、それ以外はカツミの製品になります。鉄道模型で新幹線を集めだしたのはオークションでカツミ製品の古い0系を購入してからでした。組み立て式線路を繋いで、本物同様に高速で運転して楽しんでいました。次に100系新幹線を先頭車から集めだして、なんとか2階建て車両を含む10両編成になりました。そして公開運転会用にと700系を草津市の老舗模型店で6両セットを購入し、あとは通信販売で集めて10両編成にしました。ドクターイエローもオークションで購入し、500系は草津市の老舗模型店でセットを購入、中間車は通信販売で集めて8両編成にしました。N700系も通信販売で10両編成まで集めました。カトー製品のE5系10両も買いました。よくぞここまで新幹線を集めたと思う次第です。

新幹線祭りの日は、お二人と自分の撮りためた写真も見ていただきながら談笑して、大変楽しい時間を過ごすことができました。元新幹線運転士の方からは、新幹線の運転にまつわる興味深いお話も聞くことができました。その方の話の中で、500系新幹線が一番運転に難しさがあったとお聞きしたことが印象に残りました。ホームを製作して下さった方も改めて新幹線ホームを車両と一緒に眺めて下さり、新幹線祭りを堪能して下さったようでした。