良き国鉄時代③

自分は北陸本線の沿線で育ったこともあり、幼いころから近くの踏切で列車を見てきました。やはり好きな車両は国鉄型の優等列車になります。自分が中学生だった1975年から高校生になった1977年くらいにかけて、近所の踏切やま長浜駅、米原駅、そして近江塩津、余呉あたりまで足を延ばしてよく撮影していました。カメラといえば親に買ってもらったアサヒペンタックスSPFでした。135ミリの望遠レンズまで買ってもらっていました。現像とプリントは親戚のカメラ屋(金戸カメラ)さんでした。時に同時プリントと言って、フィルム1本をそのままプリントしてもらっていて、親から「同じような写真ぱかり」と叱責を受けたこともありました。デジタルカメラが主流となった現在では考えにくい事だと思います。撮影した写真は現像するまで見ることができず、フィルムを出して数日後にワクワクしてカメラ屋さんに向かったものでとした。うまく撮れたであろう写真が、被写体が遠くなってしまい小さかったりしてがっかりしたものでした。今では、撮影したら直ぐに画像を見ることが出来てしまいます。デジタル時代の成せる技といえます。

上の写真は1976年に近江塩津で撮影した485系特急「しらさぎ」になります。富山行きだと思います。当時はこの写真のように485系もボンネットタイプの先頭車がほとんどでした。ヘッドマークは字のみで、大変好ましく感じていたものです。堂々たる12両編成で、グリーン車2両に食堂車も繋がれていました。鉄道模型ではトミックス製のものを所有しています。この「しらさぎ」には乗車したことがありませんでしたが、同形式の特急「白鳥」には敦賀から高岡まで家族旅行で乗車したことがあります。車内から天井を見ると、大変大きなクーラーの吹き出し口があったことを覚えています。

上の写真は、同じく近江塩津で撮影した475系急行「ゆのくに」金沢行きになります。この急行列車も当時は堂々たる12両編成で、グリーン車を2両繋いでおり、半室がビュッフェになっている車両、サハシ455も繋がれていました。ヘッドマークが大きくて大変かっこよかったです。同じ急行電車では、急行「立山」と急行「兼六」が運転されていました。自分はこの急行「ゆのくに」が大変気に入っていて、中学生の頃に一人で大阪の阪急百貨店にHOゲージの鉄道模型(カツミ製のカニ24を買いに行きました)を買いに行った帰りに、駅弁を買って15時30分発の急行「ゆのくに」に乗車して、長浜まで帰ったことを覚えています。買った模型を眺めながら、駅弁を食べての旅は至福の時間でした。確か長浜には17時過ぎに着いたと思います。鉄道模型ではトミックス製とカツミ製のものを所有しています。

上の写真は急行「ゆのくに」と同形式475系の急行「くずりゅう」になります。2M1Tの3両が2つ繋がれ6連で運行されていました。米原と金沢を結んでいて、大変俊足の急行電車だったと記憶しています。新幹線と北陸を結んでいた急行で気軽に利用されていたように思います。国鉄末期になってくると普通列車としてもこの6両編成が使われていました。のちに赤色一色に白いラインに塗装変更され、JR西日本になると白色に青いラインが施されるようになり、新北陸色と呼ばれていました。現在は廃車となり、521系が後継車両として活躍しています。

上の写真は1977年に自宅の近くで雪の中撮影した485系特急「加越」になります。485系の300番台が使用されて、米原から金沢を結んでいました。新製車両が大変美しく、字のヘッドマークが大変美しかったです。この特急が誕生する前に、列車の名称を広く一般公募されていました。自分も応募していたと記憶していますが、どんな名称を応募したのか全く覚えていません。「加越」に決まった訳ですが、加は加賀の一字を取り、越は越前の一字を取り、合わせて加越にされたと聞きました。この特急が駆け抜ける県名の古い名称に落ち着いたわけです。鉄道模型ではトミックス製を3編成ほど所有しています。

上の写真は1975年にやはり自宅近くで撮影した485系特急「雷鳥」になります。1975年はまだ湖西線が開通しておらず、大阪発の北陸方面優等列車は米原経由で運転されていました。この「雷鳥」をはじめ「白鳥」、「北越」、「つるぎ」、「日本海」、急行「きたぐに」等も自宅近くで十分に撮影できたわけです。この485系は貫通扉があるタイプ(げんこつ形、あるいは電気釜と呼ばれました)になり。ボネット形に変わって登場した頃の形状です。好きだった581系の特急「しらさぎ」に先頭車の形が似ていて新鮮でした。581系が月光形と呼ばれていたので、自分は赤い月光形と呼んでいました。もちろん鉄道模型でもトミックス製を所有していますが、貫通タイプではなく非貫通タイプの300番台になります。

自分の好きな北陸線の優等列車たちは実車ではもう見ることができません。しかし、鉄道模型では、まだまだ現役の姿をいつでも見ることができます。自宅レイアウトをジョイント音を響かせて走りぬける姿は自分を「あの頃」に誘ってくれ、至福の時間と空間を提供してくれています。さあ、今日はどの列車を運転してみようか。