良き国鉄時代㉒~寝台急行「銀河」~

良き国鉄時代のシリーズ。今回は1976年に撮影した20系寝台急行「銀河」号を特集させていただきます。これまで幾度となく紹介している急行「銀河」号ですが、今回も撮影した場所は、米原~醒ヶ井間のカーブ辺りになり1976年の撮影になります。急行「銀河」は1949年に生まれた東京と大阪を結んでいた寝台急行列車でした。残念ながら2008年3月14日に廃止されています。以前、このブログで最終運転日に大津駅で撮影した記事をのせました。自分が知っている「銀河」は20系になった1976年からでした。それ以前に走っていた10系寝台客車の時代は知りません。そしてこの20系客車も1985年には14系客車に、そして1986年からラストランまでは24系客車が使用されていました。

以前の記事に書いたように、この20系客車の寝台急行「銀河」には高校生の時に鉄道趣味友人と東京から米原まで初乗車していました。初めて乗る3段式B寝台に心を弾ませていたものです。最後尾のナハネフ22の窓から眺めた東京の夜景を今でも覚えています。空気バネの台車を履いていたので、大変静かな走行音で快適な乗車を楽しむ事ができました。車中で友人が自分にくれたピーナッツをよく覚えています。週刊誌も買っていたような記憶があります。この急行「銀河」号が米原に着くのは6時7分で、夏場の撮影には十分な明るさでした。上の画像のEF58は145号機で、大阪鉄道管理局、宮原運転区の機関車になります。機関車の足まわりから煙のようなものが見えていますが、おそらく機関車が制動(ブレーキ)をかけていたのかと思われます。車輪を抑えている制輪子からの鉄粉が飛んでいるのでしょう。北陸本線でも電気機関車の次の客車に乗っている時の機関車との連結面を見に行っていた際、ブレーキをかける度に鉄粉の匂いがしていたのを思い出します。何とも言えない鉄の匂いでした。線路のバラストが茶色くなっているのも、列車のブレーキの時の鉄粉が石について錆びたためです。ちなみに鉄道模型では茶色系のバラストを線路にまいて表現しています。また、線路とベースの塗装には自分はタミヤカラーのレッドブラウン色の缶スプレーをよく使っています。

上の画像は、寝台急行「銀河」号をEF58形直流電気機関車の43号機が牽引しています。大窓タイプで庇のあるこの機関車も大阪鉄道管理局、宮原運転区所属の機関車になります。米原寄りの場所からアウトカーブで撮影しています。ちょうど全編成が納まっている写真で気に入っていました。

上の画像は、同じ場所で米原駅に向かって走る急行「銀河」号を後方から撮影したものです。固定編成の大変美しい姿を記録に残そうとして撮影したのでしょう。当時の気持ちが写真から伝わってきます。編成では先頭はカニ21形電源車で、次位はナロネ20が繋がれていました。A寝台車で灯り取りの小窓が良いアクセントになっています。あとの車両は全てB寝台車で編成されていました。残念ながらナシ20形の食堂車は繋がれていませんでした。

急行「銀河」号の最後尾は、展望車スタイルのナハネフ22形でした。向かって右側は車掌室になっており、左側は展望室になっていました。この列車に乗車した時に、この窓から走り去っていく東京の灯りを飽きもせずに眺めていました。20系は丸みを強調した大変流麗なスタイルの寝台客車でした。

この頃はまだトレインマークがセットされていなかったようです。テールサインは白一色でした。寝台急行「銀河」には黒字で「急行 EXPRESS」というサインが初期に使われていました。後にイラスト入りの「銀河」のテールサインに替わりました。青色地に黄色の文字とイラストの星をちりばめた大変美しいデザインでした。電気機関車用のヘッドマークもあったようで、鉄道模型のパーツでは見たことがあります。実際に使用されていたのかは不明です。客車用に準じた美しいヘッドマークが作られていました。EF58やEF65 1000番台に付けてもらって前面を飾ってほしかったと個人的には思っています。

上の画像も急行「銀河」号の編成最後撮影したものになります。やはりテールサインがまだ無くて、無地のままでした。寝台特急用として華々しくデビューした「走るホテル」とも絶賛されていた20系客車も、後から登場してきた寝台特急用の客車、14系や24系に後を譲ることになりました。B寝台は3段式でしたが、急行料金で特急用の寝台車に乗れるようになったことは当時としては、エポックメーキングな事だったと思われます。自分はこの20系寝台客車には結局後にも先にも東京撮影行の帰りに乗った1回だけでした。24系客車の寝台急行「銀河」号には米原から東京間を何回も乗車したことがありました。それも決まってA寝台のプルマン式寝台のオロネ24の下段を取っていました。身体に対して横方向に走っていく寝台車より、進行方向に頭を向けて走っていく、縦方向に走っていく寝台車の方が寝心地が良かったように思います。この列車も廃止になって久しいですが、鉄道模型ではまだまだ現役で自宅レイアウトを走ってくれています。鉄道模型ではEF58はカトー製、天賞堂製の36号機、カンタムの74号機そして試験塗装機の4号機、16号機、31号機、それに60号機、61号機を所有しています。20系客車はカトー製を持っています。今回も最後までお読み頂きまして、ありがとうございました。

自宅レイアウトをサウンドを奏でながら快走するEF58牽引の20系。EF58は天賞堂製のカンタム搭載機関車。