このところ実物鉄道写真関係ばかりを上げていたので、そろそろ鉄道模型の話題の記事を書くことにしました。1昨年12月より自宅の16番ゲージのレイアウトに、新しくシーナリィ付きの線区を製作しているところです。ある程度まで製作していて、山肌の表現のところでストップしてしまいました。実際の山々を見て参考にしてみたり、電車に乗った際には沿線の山や山肌近くの木々の様子を見てはレイアウトへの思いを膨らませていました。季節が進んできてようやく秋らしくなってきたので、腰を据えてシーナリィ工作を再開することにしました。
自宅レイアウトを見てくれた鉄道模型友人の一人は、「山肌は色を塗っただけでいいのでは」とアドバイスしてくれましたが、自分としてはやはりある程度は植林して山肌らしく表現してみたいという思いがあってずっと思案してきました。このレイアウトでは、山肌が切り立っているのが製作を遅らせた大きな要因でした。いろいろ考えた結果、樹木は従来通りのやり方で製作していき、山肌にそのまま張り付けていくようにしてみました。さっそくいろいろな樹木をキットと素材(フォーリッジ)を使って製作していきました。また嬉しいことに岐阜鉄道模型クラブの方から沢山の樹木を頂いたので、それらもアレンジして使っていくことにしました。
樹木キットに木工用ボンドをたっぷりと付けて、色合いの違うフォーリッジを付けていきます。そして一晩乾燥させたら樹木の完成です。たくさんの樹木が必要となり、延々と作業をしていくのも辛いので、1日10本程度として製作していきました。シーナリィ製作での山の表現は自分にとっては一番手間のかかる作業だと感じました。
作りためた樹木を、山肌に一本一本接着していきます。山肌の色はあらかじめ深緑色で塗っているので黒っぽい樹木がよく映えるようです。知人から頂いた広葉樹は大変存在感があって良いアクセントになりました。樹木は背丈の高いものから低いもの、また色も薄緑から黒っぽい物まで様々なものを作っておく必要がありました。ある友人によると「建築模型」にも樹木があるようですが、全体のバランスを考えると今回の方法が一番合っているように思います。
このところ毎日、10本ほどの樹木を植林していっています。木々が生い茂る山肌には、まだまだ程遠いですが、この度新しい方法を考えつきました。山肌に盛り上がって見える緑の表現に、発砲スチロールである程度の大きさに作った塊にフォーリッジを付けていくというやり方になります。発泡スチロールはカッターで小さな塊に切り、あとは手作業で表面を削って形を整えます。それを山肌に接着して深緑色で色付けをしておきます。乾いてから木工用ボンドをたっぷりと付けてフォーリッジを付けていけば完成です。樹木ばかりだと単調な山肌になってしまうので、この「緑の塊」も付けて立体的な山肌にしていこうと考えています。下の画像がその実際になります。
以上のようにして、緑の茂った山肌を表現していきます。シーナリィの製作も「試行錯誤」をしながら作風を工夫するのも楽しい作業と言えます。下の画像はトンネルの山に新たに樹木を付けた様子になります。これまでのフォーリッジだけの表現よりも、より立体的になり山らしくなったように思います。
幸いなことに仕事をリタイヤした今は時間があります。町内会の仕事もいくつか抱えてはいますが、趣味に使える時間のありがたさを痛感している今日この頃です。鉄道の実車を追いかける趣味も良いですが、模型製作も大変楽しい時間を過ごせます。今回はレイアウトのシーナリィ製作ということで、鉄道模型とは離れているように思えますが、実は同じ世界です。自分のようにある程度まで車両を所有していると、それらをいかにしてリアルに走らせるかが大きな目標となります。「鉄道模型を走らせる舞台」をリアルに作っていくと、走る模型も全然違ってきて、大変生き生きとしてリアルに見えてきます。そうなってくると車両に乗客人形を乗せてみたり、車両にウェザリングを施してよりリアルな車両を作りたくなってきます。また鉄道模型趣味の深い沼にはまってしまいそうです。鉄道模型が「終わりなき趣味」と言われる所以です。
先日、岐阜県に住む鉄道模型知人の一人が、随分と歳をとってしまって使う機会が無くなったレイアウトの一部を引き取ってほしい旨の連絡を頂き、実物を見に行かせていただきました。ご自宅の離れ2階に自分のようにレイアウトを作られていました。所属されている模型クラブの運転会にはレイアウトを分解してトラックに積んで持って行かれていたそうです。この度レイアウトの鉄橋部分とトンネル部分を譲り受けることにしました。自宅レイアウトに上手く使えると良いのですが、大変大きいモジュールなのでおそらく大工事が必要になってくると思われます。でも何かのご縁なので何とかして利用したいと思っています。それこそ山の表現が大変参考になる見事なモジュールです。東海道本線の関ケ原越えにある「今須トンネル」をかなり忠実に再現されて製作されています。ということで、今回は現在のレイアウト製作の様子と近況を紹介しました。