1枚の切符から~国鉄回想旅日記~

切符も時代と共にその形を大きく変えてしまいました。そして現在は切符そのものが無くなるという時代になってしまっているようです。交通系ICカードも随分と普及してきました。新幹線もスマートフォンのアプリで予約して乗れる時代になりました。私が特急列車の指定席を使い始めた1970年代後半以降には、全国の主要駅に「緑の窓口」があって乗車する1ケ月前には駅の窓口に行って専用の用紙に列車名を第2希望まで記入して、駅員が「マルス」というコンピューター発券システムで出した切符を買ったものでした。無事に入手できた緑の切符は、使う日まで紙の入れ物に大事にしまっておいたものです。

今回はそんな切符について、家の断捨離中にたまたま見つかった切符を紹介したいと思います。「良き国鉄時代」とリンクさせてご覧いただければ幸いです。

上の画像は国鉄時代に発売されていた「東北周遊券」になります。20日間も有効で、この切符1枚でゆっくり東北地方を旅行することが出来たようです。実にロマンに満ちた素晴らしい切符でしょう。当時は東京に行く時も「東京ミニ周遊券」を買って、都内を電車で自由に廻っていたのを覚えています。行き帰りは「大垣発東京行き」の普通電車の「大垣夜行利用」でした。

この切符を使った時代は自分が大学生の時になります。親しい友人が岩手県宮古市の出身で、その友人宅に遊びに行った時に使いました。大学時代に下宿していた名古屋からは東海道新幹線0系で東京まで出て、山手線で上野まで行き、そこからは東北本線を使って485系の特急「やまびこ3号」で盛岡まで行きました。そこからは山田線に乗り換えて宮古まで行ったのでした。友人は自家用車のホンダ・アコードで迎えてくれ、リアス式海岸の北山崎展望台にも連れて行ってくれました。夜は友人宅で豪華な海の幸のご馳走を頂いたのを覚えています。初めて食べたホヤや毛ガニにはびっくりしました。たいへん美味しく頂けたまでは良かったのですが・・・。次の日に駅まで送ってもらった後くらいから急にお腹が悲鳴を上げ出してしまったのです。

自分としては東北周遊券でのんびりと青森や秋田を廻って帰ろうと思っていたのですが、とにかく早く家に帰りたくなってしまいました。そこで当時では最速?で帰れる列車の寝台特急「日本海2号」をチョイスし、寝台券を敦賀まで青森駅で買ったのでした。夕刻の発車でしたがお腹の具合が悪く、折角の寝台特急の旅も楽しめないままに翌朝に敦賀へと到着したのでした。24系25形の2段式B寝台車での苦い初めての旅でした。この夏の思い出がこんなにリアルに思い出せたのも、今回見つかったこの切符のお陰だと思います。その後その友人は地元の福祉施設職員になりました。今から25年前に一度再会しましたが、現在では年賀状だけのお付き合いになっています。

ついでに見つかった同じような2枚の切符があります。寝台特急「北星」、盛岡発上野行きになっています。これは当時自分が鉄道好きと知って、その岩手の友人が東京の予備校時代に使った寝台券を私にくれたものになります。夜行列車でよく東京に戻っていたようでした。この切符も今回一緒に見つけることになりました。

自分が乗った列車の「切符」は鉄道ファンにとっては残しておきたいものです。改札を出る時に、駅員さんに「この切符、記念にもらいたいのですが」というと「無効印」というスタンプを押して下さったものでした。他にも沢山切符を残していたのですが、残念ながら見当たりません。今回はちょっといつもと切り口を変えた文章の多い記事になってしまいました。国鉄時代の「切符」が思い出させてくれたエピソードを紹介させて頂きましたが、いかがだったでしょうか?またこんなスタイルの投稿も交えていきたいと思っています。よろしかったらお付き合い下さればと思います。

☆以下は国鉄時代の懐かしい硬券を紹介させて頂きます。

上の画像は当時の急行券になります。100キロまでや200キロまでの利用をしていたようです。「米原➡100キロまで」は米原~京都での急行利用かと思います。急行「ゆのくに」の乗車か急行「比叡」乗車の時に使用したのでしょうか。料金は500円から700円の時代でした。ピンク色の硬券でした。

上の画像は北陸本線の普通列車に乗車した時に使用した切符になります。乗車した普通列車はどれもEF70形交流電気機関車が牽引しているオハ35系の旧型客車でした。鉄道写真の撮影のために乗車したものと思われます。当時は往復切符には往復のスタンプが押されているのが解ります。

上の画像は、以前に紹介させて頂いたことがある今は亡き父親に中学3年の夏休みに連れて行ってもらった東北旅行の際に、買っておいた東北本線の平泉駅の入場券になります。この駅で降りて中尊寺に見学に行ったものと思われます。今回見つかった切符から、亡き父親まで偲ぶことが出来ました。やはり切符には良き思い出を、よみがえさせてくれる力を持っているようです。今回の記事は以上になります。今回も最後までお読みいただきましてありがとうございました。