シーナリィの製作~自宅レイアウト④

昨年12月から製作している自宅レイアウトの新線部分。前回はトンネルのリメイクについて書きました。あれから新線の製作も毎日少しずつは進めてきました。今回は現在の進捗状況についての記事を載せます。シーナリィ製作では線路のバラスト敷き、トンネルリメイク、神社の設置(これは自分の鉄道模型友人が製作して下さいました)までは割とすいすいと進められましたが、レイアウトで大きな部分を占める、裾部分と山肌の表現が難しい製作の課題となりました。製作するにあたり、敦賀赤レンガにある鉄道ジオラマを見に行ったり、実際の北陸線沿線の動画を何回も見たりしながら工作のイメージを作っていきました。たどり着いた製作の方法は、裾部の上半分はジオラマ作成材料のフォーリッジやターフ、パウダー等を使用して草むらにしていき、下半分については緑の表現はせずに、アクリル絵の具で岩肌風にしていくという案でした。これまでに購入しておいた緑色系のフォーリッジの色に変化をつけながら、木工用ボンドを使って張り付けていきました。そのうえに緑色系のパウダーも付けながら作業していきました。材料がパラパラと落ちてしまったり、ボンドも垂れてしまったりと毎回床が見事に汚れ、まるでアトリエのような状態になってしまいました。そして作業の終わりには好きな車両を走行させて動画に撮影してチェックを繰り返しました。また、深緑一色としていた背景の板も、ライトブルーのラッカースプレーをまばらに吹いて空のように表現してみました。

何日かかけて作業を続け、ようやくこのような形になってきました。やはり色を塗っての表現よりも、立体的なジオラマ製作用の材料を丁寧に付けていくことで、断然リアルに仕上がっていきます。毎回試行錯誤の繰り返しではありますが、自分が納得できる作業ができた時は嬉しいものです。

さて最後の製作は「山肌」です。緑系のアクリル絵の具でそれらしく塗るのもいいかと思うのですが、幸い自分にはたっぷりと時間があるので、やはり木々を作ってリアルな山肌にしていきたいと思っています。家に来ていただいた鉄道模型友人のアドバイスや製作の専門書を見ながら、また試行錯誤して製作していくつもりです。

最近になって木々の試作を始めました。手持ちの樹木製作キットを使って、長さを短くカットして、それにこれまで使ったジオラマ作成材料を木工用ボンドで付けています。山肌の上の方は、山肌に木を張り付けるようにして表現してみたいと考えました。何本か重ねていくことで生い茂る山肌にならないかと思ったわけです。まだまだ時間がかかりそうですが、内職のようにして木の製作作業を続けていろいろな木を製作していこうと思っています。山肌がある程度形になってきたらまた記事にしたいと思います。

シーナリィの製作~自宅レイアウト③

新しい線区のシーナリィ製作を進めていくのにつれて、この線区に見合ったトンネルが必要になってきました。自宅レイアウトのコーナーに作っておいたトンネル部の修復が必要になってきたわけです。これまでのトンネルは打楽器の台を合わせてベースとして、その上に金網を付けて新聞紙やプラスターを付けた紙を張り付け、さらに素材(緑色のフォーリッジ)を使って山肌を表現していました。トンネル内で脱線等のトラブルや線路掃除の際には、この山肌ごと上に開けられるようにして作りました。今回の改修ではトンネルのベース板に新たに開閉式の扉を作ることにしました。ここを開けることでトラブルやメンテナンスに対応することができるようになります。 またこれで山の部分をしっかりと固定して製作していくこともできるのです。このトンネルのベースは不要となった打楽器の台を2枚あわせて利用していますが、それをしっかりと木ねじで固定しました。トンネルの入り口(ポータル)付近はスタイロフォームに紙粘土を盛ってそれらしい形を作り、シーナリィ用の素材(緑色のフォーリッジ)を張り付けて山肌らしく作りました。扉をつけたことで内部の下の隙間から光が漏れるようになったので、扉の下にはビニール製の板を張り付けました。やはりトンネルの中は「真っ暗」でなければなりません。この対処でうまくできました。ちなみにこのトンネルの名称は「北陸トンネル」として、イメージだけをいただいています。それは新しくシーナリィ製作している線区のイメージが北陸線だからです。実際に列車を走らせてみると、前照灯を光らせてトンネルから出てくる様子や尾灯を輝かせながらトンネルに消えていく様子が大変リアルで、素晴らしいものになっています。昔の童謡の歌詞に出てくる「鉄橋」と「トンネル」は、やはり鉄道模型のレイアウトにも必要なアイテムであり、鉄道模型を引き立てる脇役として大切になってくるものだと思いました。トンネルを改修したことで、新しく製作している新線とうまくコラボレーションしてくれるようになったと思っています。トンネルをレイアウトのコーナーに配置したことで、コーナー部分は山の表現を完全に省いてしまっています。このやりかたは鉄道模型レイアウト製作にはよく使う手法といえそうです。さて、次の製作は新線部分の山肌と線路下の裾野部分の表現になってきます。自分としては今どうしようかと悩んでいるところです。緑色のフォーリッジを張り詰めていくのも1つの方法と言えますが、やはり新線の向かって右奥に作ったような杉の木を参考にして、すこし短めの杉の木を張り付けるような形で表現していこうかと考えています。また、裾野部分は上半分だけ草木を素材で表現して、下の半分は茶色系のアクリル絵の具を使って岩肌の表現にしようと考えているところです。手法をあれこれ考えることもレイアウト製作の面白いところです。

シーナリィの製作~自宅レイアウト②

毎日少しずつ製作を進めている自宅レイアウト。この程、線路にバラストを敷きました。バラストとは線路の下に敷いてある砂利のことです。このバラストで線路を走る列車を支え、適正な線路の状態を保つことができます。実際には線路の状態が少しでも傾いてきたりしたら、マルタイと呼ばれる特殊作業車でバラストを整える作業がなされます。この線路の不具合を発見するのが新幹線でいう「ドクターイエロー」のような試験車両になります。実は当鉄道にもマヤ34という試験車両を持っています。この車両は6軸の車両で実際当レイアウトでも線路の具合が悪いところでよく脱線してしまいます。この車両が脱線せずに走れたら線路状態は良好ということになります。今回、自宅レイアウトのバラスト敷き作業を行うにあたって、北陸本線の前面展望ビデオを繰り返して見て、線路の様子を観察してきました。バラストの色は一見どこも同じように見えますが、注意して見ていくと色に濃淡があったり、線路と線路の間は色が薄かったりしています。もともと砂利は灰色ですが列車が走っているうちに茶色になっていきます。これは列車がブレーキをかけた時に出る鉄粉が錆びてしまうことから茶色に染められていくからです。模型でもバラストの色は茶色の製品が多いですね。実際の線路の様子を参考にして、バラストの色合いも考えながら敷いていきました。線路と線路の間は薄い茶色のバラストを敷きました。また線路の外側にも薄い茶色のバラストを敷いています。バラスト敷きでのポイントは、必ず枕木を見えた状態にして敷き詰めるという点です。以前アバウトに作業してしまい、枕木の上にバラストを付けてしまい失敗したこともありました。バラストを撒き終えたら、まず界面活性剤を含んだ中性洗剤を数滴入れた水を霧吹きで吹きます。次にバラストを敷いて刷毛を使って整えていきます。この時に枕木を見える状態にしていくわけです。そして木工用ボンドを3~5倍に薄めた「ボンド水」をスポイトで垂らして固定していきます。界面活性剤の効果でボンド水はバラストの間に気持ちよく沁み込んでいきます。あとは一晩かけてしっかりと乾くのを待つことになります。乾燥するとバラストはしっかりと固着します。乾いた後は枕木の上にバラストが付いている箇所もあるので、ピンセットで丁寧にバラストを取り除いていったら完成です。実物さながらの線路ができた喜びは大変大きいものがあります。やはり時間をかけて作業して、自分が納得が行くまで作業することが大切です。「急がば回れ」のことわざがずばり鉄道模型の世界にも当てはまります。(2023.5.14)

シーナリィの製作~自宅レイアウト①

昨年の12月から始めた自宅レイアウトの新線製作も少しずつ進んできました。鉄道模型友人から神社や小屋、桜の樹等のストラクチャーを寄贈頂いたことで大変良い雰囲気になってきています。私の鉄道模型友人にはストラクチャー作りの達人がおられ、大変見事な物を製作しておられます。このレイアウトを製作し始めた頃に、鉄道模型友人から「ガーダー橋を作らせて欲しい」という知らせをもらいました。製作中だった橋梁部分の寸法をお伝えしたら、本当にあっという間にペーパーで見事な鉄橋(ガーダー橋)を製作して持ってきてくれたのです。下の画像のように、レイアウトは製作途中で橋下の長さも大変短いものでした。この状態から大改造が始まっていくことになります。

まず橋下を長くするためにベースの板を下げるようにしました。線路をいったん外して、ベース板をジグソーでカットしていきました。そして下に新たな川底を作りました。なかなか大変な作業でしたが、思い切って取り組んでなんとか形になりました。やはり完成されたガーダー橋には河川の表現をしっかりしていく必要を強く感じたからです。

それからはガーダー橋を支える支柱を作り直したり、プラスターと紙粘土で川周辺の地面を作ったりしていきました。 このくらい橋下に余裕ができたので、川の表現もやり易くなりました。川底にプラスターを塗り重ねて厚みを出してから、いよいよ川の水を表現していきます。緑のアクリル絵の具を塗り重ねて行って作っていきました。川の流れの内側は濃い色にし、外側は薄い色にしていきました。白色のアクリル絵の具もところどころ使って流れ具合も表現してみました。試行錯誤の結果、素晴らしいガーダー橋も映える風景になっと自負しています。背景部の岩の表現も鉄道模型友人のアドバイスで設置しました。滝は自分でアレンジしてみました。流れ落ちる滝の表現には市販の素材を使って作りました。それらしくできたように思います。正に、友人から提供いただいた一対のガーダーから、こんな物語ができました。イメージしながらいろんな素材、絵の具を駆使して作り上げていくシーナリィ製作の魅力は大きく、集中して作業することができます。今後は、川岸の草木を表現していき、釣り人やラフティングする人も加えていったらますます楽しい物語が生まれそうです。人形のパーツを購入して、ボートくらいは自作してみたいものですね。

自宅レイアウトの経過~専用台の設置~

自宅離れのフローリングで線路を組み立てて運転を楽しんだ後に、ホームを製作して下さった方にレイアウトを置けるような専用の台の製作を依頼したところ、快く製作してもらえる返事をいただきました。 OSB材を使って立派な専用台が完成したのは、2019年の11月のことでした。レイアウトの大きさにぴったり合った専用台を製作してもらうことができました。まるでどこかのレンタルレイアウトのようになってきて、わくわくしながら台の上に組み立て式線路一式を載せました。

ちょうどレイアウトの中にスペースがあったので、以前名鉄の部品販売で購入しておいた名鉄1000系パノラマスーパーの座席と名鉄1600系の座席を置くことにしました。これで本物の電車の座席に座りながら、鉄道模型を運転することができるようになりした。正に「夢」のような常設レイアウトルームが自宅離れに出来上がりました。

台は上部と脚部が組み立て式なので、もし場所を変えなければならない時には分解して運ぶことができるようになっています。また、それぞれの台はボルトナットで固定することも可能です。何でも作って下さるので大変ありがたい大切な方がおられて助かりました。

今は亡き自分の両親が晩年暮らしていた自宅離れ。 自分が鉄道少年だった小学校5年生の時に、亡き父親が建てたものになります。当時はこの離れ2階に自分の部屋を作ってもらい、遊びに勉強に利用していました。1階には亡き祖母が暮らしていました。自分の母親の為に介護ベッドを入れて、母親の介護もしていた部屋が、今や自分の憩いの趣味の部屋に生まれ変われました。

実は2階にも13ミリゲージの線路を敷いていて、 13ミリゲージの運転も楽しんでいたりします。また、9ミリゲージに80分の1の車体を乗せた軽便鉄道を走らせることができるようにもしています。このジャンルは「HOナロー」というものになり、ジオラマを製作して走らせておられる方も多くおられます。今ではもう見られない地方のナローゲージ(線路幅762ミリ)鉄道の魅力は大きく、昭和の鉄道遺産と言えそうです。ちなみに自分は石川県の小松から尾小屋まで走っていた「尾小屋鉄道」が大好きで、トミックス製の模型(猫屋線シリーズ)を持っておりたまに可愛らしい走行シーンを楽しんでいます。

余談になりますが、離れのガレージを昨年に大整理して趣味のバイクを2台置いて、整備できるようにしました。鉄道模型以外のバイク趣味にも活用できる様になりました。正に自分の趣味の「お城」になったわけです。息子も大型バイクに乗っていて、友だちもバイクでやって来た時などにも余裕でガレージに置いてもらうことができます。趣味にフル活用できる離れに大変重宝しています。