毎日少しずつ製作を進めている自宅レイアウト。この程、線路にバラストを敷きました。バラストとは線路の下に敷いてある砂利のことです。このバラストで線路を走る列車を支え、適正な線路の状態を保つことができます。実際には線路の状態が少しでも傾いてきたりしたら、マルタイと呼ばれる特殊作業車でバラストを整える作業がなされます。この線路の不具合を発見するのが新幹線でいう「ドクターイエロー」のような試験車両になります。実は当鉄道にもマヤ34という試験車両を持っています。この車両は6軸の車両で実際当レイアウトでも線路の具合が悪いところでよく脱線してしまいます。この車両が脱線せずに走れたら線路状態は良好ということになります。今回、自宅レイアウトのバラスト敷き作業を行うにあたって、北陸本線の前面展望ビデオを繰り返して見て、線路の様子を観察してきました。バラストの色は一見どこも同じように見えますが、注意して見ていくと色に濃淡があったり、線路と線路の間は色が薄かったりしています。もともと砂利は灰色ですが列車が走っているうちに茶色になっていきます。これは列車がブレーキをかけた時に出る鉄粉が錆びてしまうことから茶色に染められていくからです。模型でもバラストの色は茶色の製品が多いですね。実際の線路の様子を参考にして、バラストの色合いも考えながら敷いていきました。線路と線路の間は薄い茶色のバラストを敷きました。また線路の外側にも薄い茶色のバラストを敷いています。バラスト敷きでのポイントは、必ず枕木を見えた状態にして敷き詰めるという点です。以前アバウトに作業してしまい、枕木の上にバラストを付けてしまい失敗したこともありました。バラストを撒き終えたら、まず界面活性剤を含んだ中性洗剤を数滴入れた水を霧吹きで吹きます。次にバラストを敷いて刷毛を使って整えていきます。この時に枕木を見える状態にしていくわけです。そして木工用ボンドを3~5倍に薄めた「ボンド水」をスポイトで垂らして固定していきます。界面活性剤の効果でボンド水はバラストの間に気持ちよく沁み込んでいきます。あとは一晩かけてしっかりと乾くのを待つことになります。乾燥するとバラストはしっかりと固着します。乾いた後は枕木の上にバラストが付いている箇所もあるので、ピンセットで丁寧にバラストを取り除いていったら完成です。実物さながらの線路ができた喜びは大変大きいものがあります。やはり時間をかけて作業して、自分が納得が行くまで作業することが大切です。「急がば回れ」のことわざがずばり鉄道模型の世界にも当てはまります。(2023.5.14)