自分が撮りためてきた国鉄時代の貨物列車は、現在のコンテナ列車はまだあまり多くはなく、東海道本線ではコキ10000系のフレートライナーを見るくらいでした。先頭は貨物機として活躍していたEF66形直流電気機関車で、黄緑色のワキ10000も数量繋いでいたりしたものです。地元ではコキ50000系のフレートライナーがEF70交流電気機関車の牽引で走っていたものでした。圧倒的に多く見られた貨物列車は「車扱い貨物」と呼ばれた雑多な貨車を連ねた長大な貨物列車の時代でした。広大な操車場もあちこちにあり、もちろん米原駅にも大きな貨物操車場がありました。今年が「国内鉄道貨物輸送150年」ということなので、特集して記事にしていきたいと思います。
今回は、撮りためた貨物列車の写真から交直両用電気機関車が牽引している貨物列車の写真を特集したいと思います。自分が中学生位の時代なので、やはり貨物列車を撮影しているのは少なく、ほとんどの写真は特急や急行の列車がほとんどでした。もっともっと貨物列車も撮影しておけば良かったと後悔しています。今回でこの特集は一応終了とします。
上の画像は1975年に自宅近くの北陸本線虎姫~長浜間で撮影したものです。ちょうど湖西線用にEF81形交直両用電気機関車が敦賀第二機関区に新製配置された頃で、その練習運転が始まった頃でした。いつもは見かけないピンク色の電気機関車が貨物列車を牽引していたので、遠くから慌てて撮影したものと記憶しています。米原方面に向かう上りの貨物列車でした。その頃の鉄道ファンの表紙にもなっていたのがEF81形交直両用電気機関車の練習運転でした。鉄道ファン1974年11月号表紙にED70形交流電気機関車との重連の写真が使われています。個人的に気に入っている写真になります。鉄道模型でもカツミのED70とエンドウ製品や天賞堂製品のEF81と重連で運転して当時を偲んでいます。
上の画像も1975年に北陸本線虎姫から長浜間で撮影したEF81形交直両用電気機関車とEF70形交流電気機関車との重連で牽引する上り貨物列車になります。望遠レンズを使っての撮影になります。新製されたばかりのEF81のカラーリングである赤13号、ローズピンクは「交直両用」を表す国鉄色で大変鮮やかで美しいカラーでした。475系交直両用急行形電車のカラーリングにも使われています。
上の画像は1975年に敦賀駅で撮影した湖西線山科方面行のフレートライナー、コキ50000形になります。湖西線開通後は優等列車や高速貨物列車は全て新しくできた湖西線経由で運転されるようになりました。当時は交流から直流に電気方式が切り替わる「デッドセクション」が湖西線内マキノ~永原間にあったために、敦賀は当然交流区間にある駅でした。写真のEF81は前側のパンタグラフがたたまれています。余談ですが、北陸本線の交流電気機関車はいつも2エンド側のパンタグラフだけ上げていましたが、このEF81形交直両用電気機関車については、交流区間については「前パン」姿は無くて、進行方向後方のパンタグラフを上げていました。
上の画像はちょっと小さいですが1985年3月13日に北陸本線の虎姫~長浜間で今は亡き父親が撮影してくれたEF81形交直両用電気機関車牽引の上り貨物列車になります。この日は14系客車で運用されていた急行「きたぐに」の最終運行日で、当時撮影に出向く気持ちが無かった自分に代わって父親が早朝の長浜駅で撮影してくれた日の写真になります。最終運用の日だけは知っていて、当時大津に住んでいたので実家に住む父親に無理を言ったのでしょう。慣れない鉄道写真を息子の言うままに撮影してくれたことに、今更ながら感謝しています。急行「きたぐに」を撮影する前に自宅近くで撮影してくれたものと思います。
上の画像は1976年に近江塩津駅で撮影した湖西線上り京都方面行のコキ50000形フレートライナーになります。EF81形交直両用電気機関車の両方のパンタグラフが上げられています。近江塩津を出ると大変高い高架線を渡っていく姿がみられて撮影のポイントにもなるような所を行くことになります。
最後になりましたが、上の画像は1976年に敦賀駅で撮影したものになります。湖西線、上り方面の貨物列車をEF81形交直両用電気機関車が牽引しています。次位には何とC58形蒸気機関車が繋がれていました。北陸方面から関西方面へ回送されている途中です。残念ながら、このC58形蒸気機関車が何号機で、いったいどこへ運ばれていったのかは全く解りません。梅小路に運ばれて整備されたのか?どこかの駅へ運ばれて陸送されて保存されたのか?最近では梅小路で整備されたD51200が下関のEE65に牽かれて山口に回送されたそうですが、写真のように貨物列車に繋がれてのSLの回送はこの当時だけでしょう。 というわけで、今回は自分の撮りためていた写真から交直両用電気機関車が牽引する貨物列車を特集してみました。車扱い貨物の列車が無くなってしまった今は、鉄道模型で懐かしい長編成の貨物列車を再現して楽しみたいものです。「タン、タン、タン」というリズミカルな2軸貨車のジョイント音は懐かしくて大変魅力的です。貨物列車は模型で楽しむのにもぴったりと言えそうです。