13ミリゲージ春の運転会に向けて

久しぶりの鉄道模型記事になります。自宅レイアウトの鉄道模型のサイズは80分の1で、線路の幅(ゲージ)は16.5mmとなっていますが、80分の1は正確には16.5mmではなく13mmがスケールとなります。16.5mmゲージでは模型を正面眺めると国鉄が採用している狭軌(線路幅1067mm)ではガニ股になってしまいます。実物の私鉄の京浜急行や阪急、京阪、近鉄の様に標準軌(線路幅1435mm)を取り入れている鉄道車両なら、またはスケールは87分の1サイズになりますが新幹線車両であれば線路幅16.5ミリはぴったりと決まるということになります。今から12年前にもなる2012年の9月29日に「じゃりちゃん鉄道」さんの紹介で、初めて「関西合同運転会」に行かせてもらって、13mmゲージ同好会さんのレイアウトと車両を見てから、13mmゲージのことを知りました。当時、北陸線のED70を13mmゲージで作られていた方からも大いに刺激を受けて、自分も手持ちの北陸線に関わる車両から、少しずつ足回りを16.5mmから13mmへの改造を始めていきました。2015年には自分も北陸線の電気機関車ED70のキット(カツミ製)を13mmゲージにして製作して運転会で走らせて頂きました。このED70と1年後に製作したEF70の両2はTMS鉄道模型趣味という雑誌主催のコンペで努力賞を頂くことができました。

この角度から見た13mmゲージの蒸気機関車。正に狭軌鉄道の感じが良く出ています。

関西合同運転会で13mmゲージと出会わせて頂いた「13mmゲージ同好会」の十三クラブさんは毎年春に大阪で運転会もされていて、関西合運以来、都合がつけば春の運転会にも行かせて頂いていました。合わせて素晴らしいモデラーさんとも知り合うことができました。昨年の夏に広島でお会いしたTさんもそのお1人になります。13mmゲージの車両製作もさることながら、ジオラマ製作を得意とされる広島在住の方です。去年の春に十三クラブの運転でお会いして、夏に広島に行くことができたのですが、そこでの話に寝台急行「安芸」を再現しよう!ということになりました。Tさんが子どもの頃に地元である呉線で急行「安芸」を毎日のように見ておられて、鉄道模型でもやりたいとの思いがきっかけになります。

2023年夏に広島で見たC59161
広島のTさんが製作されたジオラマの1例

夏以来、Tさんはフジモデルのキット、マシ38を製作されていました。もちろん13mmゲージで3軸台車の旧型食堂車で内装まで作り込まれた秀作です。自分の方はトミックス製の10系寝台客車を13mmゲージに改軌して編成を整えました。そして呉線を走っていた蒸気機関車のC59は、たまたま所有していた13mmゲージの完成品に手を加えて161号機にしたいと思い立ったわけです。このC59161は広島の原爆資料館近くの公園に静態保存されており、去年夏に2人して見に行きました。2人の合作?の寝台急行「安芸」を次の土曜日に大阪で行われる十三クラブ春の運転会で走らせられるようにこの間準備をしていたわけです。

上の画像が今回の「安芸」再現に使ったアダチ製のC59形蒸気機関車になります。たまたま数年前に13mmのC59をオークションで手に入れていました。これを広島で見た161号機にプチ改造しました。

まずはランボードの色指しから始めていきました。マスキングテープを付けてから、ホワイトのタミヤラッカー塗料を筆塗りしていきました。本当はマスキングしてからエアブラシで塗装するとよりシャープな線が描けたと思われます。前後しますが、161号機の特徴である先従輪を前にスポーク車輪、後ろにはボックス車輪へと改造しました。

ランボードに白色のラインを付けると、これで一歩161号機に近づいたように思えました。

手持ちのC59にはテンダーにライトが付いていなかったので、何と天賞堂のプラスティック製のEF16から拝借してテンダーに接着しました。EF16は動力を取ってトレーラーにしていた部品取り用の模型になります。また1つそれらしくなりました。

蒸気機関車には実に様々な部品が付いています。精密な高級模型ではその一つ一つまで表現されていますが、自分はあくまで「自分が納得できるレベル」まで作り込めたら良しとしています。今回はとりあえずドーム前に鉄のガードを作りました。真鍮線を曲げて取り付けただけになりますが、雰囲気は少し変わりました。

そして前面の連結器の両サイドに埋め込まれている標識灯を新たに増設することにしました。これはパーツを購入して塗装してから、穴をピンバイスで開けて取り付けました。当時の映像を見ていると、寝台急行「安芸」を牽引していたC59やC62には前面に赤の標識灯が埋め込まれていました。それを表現したかったわけです。

「あき」のヘッドマークはたまたま手持ちにあったものですが、いささかオーバースケールのようです。まあ、これで良しとしたいと思います。前面標識灯を付けるとさらに161号機に近づいたように感じました。これで牽引機の改造は終わりです。なお、書き忘れましたが161号機のナンバープレートはオークションで見つけたのを入手して貼り替えています。

次は客車の方です。手持ちのトミックス10系寝台車は台車の車輪を13mmの車輪に交換しました。「長軸改軌」という方法で、単に車輪だけを交換しています。不足していた車両の食堂車以外はオークションで買い足しました。

トミックス製のオロネ10には1等の淡緑色の帯がありません。仕方なく帯だけを作ることにしました。Tさんがシール紙を提供してくださり、そこにマッハカラーを今度はエアブラシで塗装しました。

色を付けたシール紙から帯を切りだして側面にはりつけて完成です。シール紙にしたのはいつでも帯なしの車両に戻せるからでもあります。

食堂車のマシ38はTさんが製作して下さっていて、今週末の運転会で初めて連結して寝台急行「安芸」を再現します。

今週の土曜日に大阪で行われる十三クラブの運転会が楽しみです。また運転会の模様を紹介したいと思います。今回も最後までお読みいただきましてありがとうございました。