鉄道模型キットの製作

鉄道模型趣味には好きな車両を組み立てる楽しみも大きいです。鉄道模型メーカーから各種車両のキットが発売されており、素材としては真鍮、プラスティック、ペーパー等になります。自分は好きな電気機関車ED70のカツミ製のトータルキットを以前に手がけたことがありました。真鍮製のキットでパーツの組み立ては基本は半田付けの作業になります。半田付け工作は失敗しても何度でもやり直せるところがメリットになります。実物写真を見ながら、あるいは実機を見ながら、いかにリアルに製作するかが醍醐味です。リアリティーを追及して、キットを加工しながら製作することも多く、自分もこの機関車のキットのパーツに改造を加えながら製作していきました。スカートの形状を変えて、電気暖房の装置を付けたり、前面の扉を埋めて、窓の位置をやや上に持っていったり、側面に電気暖房の表示を付けたりしました。また、製品のままだと、乗務員のドアはプレス表現なのでドア部分を開口して、新たにドアを真鍮で作って半田付けしました。より実機に近づけていくこのようなキットの改造は大変心躍る楽しい工作といえます。

キットのパーツはドアも一体となっていて、窓が抜いてあります。ドア本体はプレス表現でした。自分はドアの部分を金属鋸で切り取り、やすり掛けをして整えます。プレス表現よりはるかにリアルになりました。ただドアを抜いていく作業は大変で、ドアの四隅にドリルで金属鋸刃を通す穴を開けました。その穴に金属鋸を通して、丁寧に切除していきます。

当然ドアのパーツは自分で作らなければならないので、なかなか大変です。実物の画像を参考にして、何枚か同じパーツを作っていきます。その中から出来の良いパーツをチョイスして使っていくことになります。

画像を参考にして、ドアを固定する場所を決定して半田を流して固定していきます。 その後に、はみ出てしまった半田をキサゲやヤスリを使って丁寧に整えていきます。大変根気のいる作業になります。機関車の車体の半田付けが終了したら、いよいよ塗装になります。塗料は鉄道模型メーカーから専用カラーが発売されています。今回は国鉄赤1号という色のラッカー塗料をエアブラシ(コンプレッサーで塗料を細かく付けていく道具)で吹きました。下地の色と赤色の重ね塗りになり、下地色を何回か変えながら長浜鉄道スクエアに展示されている実機の色と合わせて色決めをしました。その結果、下地はライトグレーにしました。

天気の良い日に、エアブラシで塗装しました。赤く塗られると交流機関車らしくなってきます。しっかりと乾燥させてから、艶消しクリア(塗装面の保護剤)を吹き付けました。

赤を塗った後は、屋根部を艶消し黒で塗装していきます。次に屋上機器をマスキングしながら丁寧に筆塗りしていきました。前面下部のお鬚(警戒色の帯)も、マスキングしてから面相筆で丁寧に塗りました。前面右のマスキングテープは、ナンバーを付ける位置を示しています。そこへ機関車番号を付けていきます。動力のある下回りとスカート、屋上機器とパンタグラフ等を取り付けたらボディーの完成です。ちなみに下回りの動力部分は13ミリゲージのエンドウ製機関車用MPギアを使用しています。やはり思い入れのある機関車なので、狭軌感の秀逸の13ミリゲージで製作しました。長いプロセスを経て完成した車両を眺めるのは至福の時間です。そしてまた次の車両を作りたくなってしまいます。

上の画像は、完成した車両(自分のは左側)を長浜鉄道スクエアに展示してある実物ED701の前面貫通ドア下ステップに乗せて記念写真を撮影したものです。ちなみに右側の同機は千葉の鉄道模型友人が製作した模型になります。

新幹線祭り

2022年2月13日に、自宅レイアウトのホームを作って下さった方と、その方の職場の同僚で元新幹線運転士をされていた方お二人をお招きして自宅レイアウトで「新幹線祭り」と題した運転会を開催しました。この日だけは自宅レイアウトは1/87スケールの新幹線だけで埋め尽くしてみました。ホームが新幹線の米原駅をモチーフに作って下さっているので、新幹線車両はたいへんしっくりきました。

そもそもこの自宅レイアウトを作る際の構想は、外周線ないしは高架線に16.5ミリゲージの線路を敷いて「新幹線路線」として、在来線は13ミリゲージの線路を敷く予定でした。そのつもりで13ミリゲージのフレキシブルレールを沢山買ってストックしておいたわけです。高架案は壮大で、ホームごと上部に設営し、そこからの線路も高架にしていくという案です。在来線はホーム下に駅を作って、そこから発着していくという構想でした。鉄道模型友人のほとんどが16.5ミリゲージの16番鉄道模型をやっている方なので、この壮大な案は諦めて現在のようにすべて16.5ミリゲージの線路を敷きました。鉄道模型の新幹線は87分の1で作られていて、線路幅16.5ミリで実際の新幹線の線路、標準軌にマッチします。また、80分の1の鉄道模型、HOゲージでも実物が標準軌であれば、16.5ミリゲージでマッチすることになります。たとえば、私鉄の阪急電車、京阪電車、阪神電車、叡山電鉄、京浜急行などが標準軌(広軌ともいいます)で運行されています。13ミリゲージのフレキシブルレールが沢山あるので、いずれはそれを使って大きな組み立て式線路を作りたいと考えています。

新幹線祭りでレイアウトを埋め尽くした新幹線電車。左から100系、300系、T4ドクターイエロー、N700系になります。ドクターイエローだけは日本車両夢工房製品で、それ以外はカツミの製品になります。鉄道模型で新幹線を集めだしたのはオークションでカツミ製品の古い0系を購入してからでした。組み立て式線路を繋いで、本物同様に高速で運転して楽しんでいました。次に100系新幹線を先頭車から集めだして、なんとか2階建て車両を含む10両編成になりました。そして公開運転会用にと700系を草津市の老舗模型店で6両セットを購入し、あとは通信販売で集めて10両編成にしました。ドクターイエローもオークションで購入し、500系は草津市の老舗模型店でセットを購入、中間車は通信販売で集めて8両編成にしました。N700系も通信販売で10両編成まで集めました。カトー製品のE5系10両も買いました。よくぞここまで新幹線を集めたと思う次第です。

新幹線祭りの日は、お二人と自分の撮りためた写真も見ていただきながら談笑して、大変楽しい時間を過ごすことができました。元新幹線運転士の方からは、新幹線の運転にまつわる興味深いお話も聞くことができました。その方の話の中で、500系新幹線が一番運転に難しさがあったとお聞きしたことが印象に残りました。ホームを製作して下さった方も改めて新幹線ホームを車両と一緒に眺めて下さり、新幹線祭りを堪能して下さったようでした。