ホームの照明をリニューアル

自宅レイアウトの駅のホーム照明には、これまで白色LED室内灯を連ねていましたが、鉄道模型友人が余った12ボルト用のテープLEDを譲ってくれたので、リニューアル工事をすることにしました。これまでの雰囲気も決して悪いというものではなく、夜の演出をしてくれていましたが、室内灯をむき出しで連ねていたので厚みがあり、しかも均一な照らし方には程遠いものがありました。そして配線もむき出しで見栄えも悪いお粗末なものでした。

今回はこの室内灯を撤去して、テープLEDにしていく作業をしてみました。まずは現状の照明の撤去からです。模型友人に手作りしていただいたこのホームは紙と木材で作られていて、屋根部が取れるようになっており分解ができます。しかも驚いたことに、ホームの屋根下には12ボルトのテープLEDが収まるように溝が作ってありました。おかげでぴったりと溝に納めながら貼っていくことができました。今回はマスキングテープでの仮取り付けなので、後には両面テープでしっかりと固定させていきたいと思います。

実は今回が初めてのLEDテープの使用になりました。よく見るとところどころに半田付けで連結している箇所があり、そこで切断しても使用には大丈夫ということも実験してわかりました。また給電は12ボルトまでの電圧で走行用のパワーパックから行う方法にしています。その際に+と-の極性があり、間違えないように結線する必要がありました。いろいろ勉強になることも多くて楽しい工作となりました。パワーパックで給電するので、好みの照度に調整することができます。だいたいパワーパックの8目盛りくらいの出力で良さそうでした。

ホーム途中の階段とエスカレーターがあるの部分は、LEDテープを仮に通しているのではみ出しています。今後は、部分ごとに短くしたLEDテープを半田付けで繋いでいき、すっきりさせたいと考えています。LEDテープ化したホームは照度が均一になり、ホームに作られた飲み物の自動販売機やお弁当屋さん、階段とエスカレーター、そして椅子などが生き生きと照らし出されて大変実感的に見えるようになりました。LEDの色も暖色系なので、良い具合に照らしてくれています。この時発見したことがありました。何と階段の一段一段には注意喚起の文字や広告まで表現されていたのです。

米原駅新幹線ホームの独特の風防ガラスの表現も大変リアルにライトアップされるようになりました。実は、今日このホームを製作してくださった方が自宅にお見えになり、改めて照明をリニューアルしたホームを見てもらうことができました。製作者も大変喜んでおられました。ようやく照明を変えることができて良かったと思っています。これからも少しずつレイアウトのバージョンアップをしていきたいと思います。

電源荷物車カニ24見学記

2023年6月17日から京都鉄道博物館でカニ24の特別展示が始まるという情報を京都鉄道博物館のホームページで知り、ネットで事前に入館券と特別展示会のセットを購入しておきました。これまで鉄道博物館の外にある屋外留置線に置かれていて、車体の老朽化に伴い、現行の展示方法で必要となってくる構内の入れ替え作業等が困難になってきたことを理由に、展示を終了するとのアナウンスがありました。そして最終展示として特別に車内の見学もできるように特別展示として開催されることになったわけです。本日6月16日から18日、23日から25日の10時15分から16時40分まで公開されます。車両の展示は6月27日限りで終了されます。自分は今日、2023年6月16日の午後1時30分からの展示会に行ってきました。

このカニ24形12号車はいわゆる寝台特急客車列車の電源荷物車で、1976年製の車両になります。この塗色は晩年、「トワイライトエクスプレス」の編成に組み込まれた際に、同客車と同じ塗色にされたものです。本来は24系客車の電源を担う目的で1973年から製造が開始されました。車内には各車両に電気を供給するための2基の発電用ディーゼルエンジン(DMF31形エンジン)を搭載しています。ブルートレインと呼ばれた寝台特急の24系客車の端には、必ず連結されていた大事な任務を受け持つ車両といえます。

自分が中学生の頃に名古屋駅で終夜にわたり、ブルートレインを撮影していたことがありました。その時、この電源車のエンジン音がものすごく大きかったことが大変印象に残っています。深夜の駅ホームに大きなエンジン音が響いていたものでした。今回はエンジン音こそ聞くことはできませんでしたが、初めて電源車の車内に足を踏み入れることができました。自分が選んでおいた時刻に車両の近くに行って受付を済ませると、係の方が車内に案内して下さいました。車内にも係の方が2名おられました。わずか4分間という見学時間ではありましたが、大きな発電用ディーゼルエンジンを大変間近に見られたことは貴重な体験となりました。荷物室のところからエンジンの真横を通って、窓のある最短部の乗務員室へと進みました。小さい座椅子があり、各種計器類と蛍光灯がありました。思っていたよりも狭い感じがしました。願わくはここから流れ去る都会の夜景を眺めてみたかったものです。

大阪から札幌を結んでいた豪華寝台特急「トワイライトエクスプレス」の電源荷物車、カニ24  12号車が6月末で姿を消してしまうのは誠に残念ですが、最後に今回の特別展示会で車内を見せて頂くことができて大変有意義だったと思います。あとは自宅レイアウトで鉄道模型を走らせながら、良き時代の素晴らしい寝台特急を再現して楽しみたいと思います。

米原・蒸気機関車避難壕探訪

かねてから訪れてみたかった米原市岩脇にある「蒸気機関車避難壕」なるものを見に行ってきました。第二次大戦末期の1944年4月から6月にかけて掘削工事がされました。東海道線と北陸線で物資や兵士を輸送していた蒸気機関車を米軍の空爆から守るために、岩盤を掘り進んで作られた避難壕(市指定文化財)になります。東側と西側に1本ずつ掘られていて、東側は130メーター掘られて貫通しており、西側は双方の入り口から52メートル掘られたところで貫通はしていません。洞窟は戦後放置されていてゴミ置き場になっていたところを、2008年10月から翌年8月にかけて地元の有志の方々で作られた「岩脇まちづくり委員会」が「戦争をわすれないために」とこつこつと整備されて保存されています。209年8月8日に避難壕の整備が完了しました。

米原駅は交通の要所であり、戦時中も軍事物資を運ぶ上では大変重要な駅でした。当然敵からすれば格好の攻撃目標になったわけです。輸送の立役者の蒸気機関車を空爆から守るべくして駅からほど近い岩脇山に避難壕を作られたわけです。一つの避難壕が未完成なのは工事中に終戦になってしまったからでした。岩脇山は岩盤は大変硬く、空襲の被害を逃れられたと考えられたのでしょう。掘削作業は当然手作業でなされ、当時は沢山の人が難作業に当たられたと思われます。「上下2段工法」という大変特殊な掘削方法で作業されたようです。また当時は作業員専用の宿舎まで作られていたらしいです。

整備された機関車避難壕の前には、大変立派な説明書きが建てられていました。

2008年から「岩脇まちづくり委員会」の方々が整備を始められて、2つ残されている機関車避難壕の近くには、立派な「資料館」も作られていました。中には「岩脇まちづくり委員会」の活動や避難壕の保全に関する資料が展示されています。また、整備中に見つけられた掘削用の火薬を詰めるパイプとかすがいも展示されていました。2017年7月27日に滋賀県内初の戦争遺跡として米原市の指定文化財に登録されました。

この蒸気機関車避難壕は、戦争遺跡を戦争の証言者、語り部として保存活用されています。地元の小学校の見学会の場所としても利用され、平和学習の教材として利用されているようです。全国的にも大変珍しい避難壕ということで、これから全国に向けてさらなる情報発信をしていただきたいと思いました。地元の新聞でこの情報を知り、ふらっと訪れてみた訳ですが、あの大きな蒸気機関車を隠すための洞窟を人の手によって掘られていたことに衝撃を受けました。もしこの蒸気機関車避難壕が完成していたら、D51形蒸気機関車の長さは約20メートルなので1つの避難壕の中に6両程を隠すことができたのでしょう。終戦により実際には完成することもなく使用されませんでしたが、これからも戦争の生きた語り部として、平和の尊さを発信し続けて欲しいと思います。

シーナリィの製作~自宅レイアウト④

昨年12月から製作している自宅レイアウトの新線部分。前回はトンネルのリメイクについて書きました。あれから新線の製作も毎日少しずつは進めてきました。今回は現在の進捗状況についての記事を載せます。シーナリィ製作では線路のバラスト敷き、トンネルリメイク、神社の設置(これは自分の鉄道模型友人が製作して下さいました)までは割とすいすいと進められましたが、レイアウトで大きな部分を占める、裾部分と山肌の表現が難しい製作の課題となりました。製作するにあたり、敦賀赤レンガにある鉄道ジオラマを見に行ったり、実際の北陸線沿線の動画を何回も見たりしながら工作のイメージを作っていきました。たどり着いた製作の方法は、裾部の上半分はジオラマ作成材料のフォーリッジやターフ、パウダー等を使用して草むらにしていき、下半分については緑の表現はせずに、アクリル絵の具で岩肌風にしていくという案でした。これまでに購入しておいた緑色系のフォーリッジの色に変化をつけながら、木工用ボンドを使って張り付けていきました。そのうえに緑色系のパウダーも付けながら作業していきました。材料がパラパラと落ちてしまったり、ボンドも垂れてしまったりと毎回床が見事に汚れ、まるでアトリエのような状態になってしまいました。そして作業の終わりには好きな車両を走行させて動画に撮影してチェックを繰り返しました。また、深緑一色としていた背景の板も、ライトブルーのラッカースプレーをまばらに吹いて空のように表現してみました。

何日かかけて作業を続け、ようやくこのような形になってきました。やはり色を塗っての表現よりも、立体的なジオラマ製作用の材料を丁寧に付けていくことで、断然リアルに仕上がっていきます。毎回試行錯誤の繰り返しではありますが、自分が納得できる作業ができた時は嬉しいものです。

さて最後の製作は「山肌」です。緑系のアクリル絵の具でそれらしく塗るのもいいかと思うのですが、幸い自分にはたっぷりと時間があるので、やはり木々を作ってリアルな山肌にしていきたいと思っています。家に来ていただいた鉄道模型友人のアドバイスや製作の専門書を見ながら、また試行錯誤して製作していくつもりです。

最近になって木々の試作を始めました。手持ちの樹木製作キットを使って、長さを短くカットして、それにこれまで使ったジオラマ作成材料を木工用ボンドで付けています。山肌の上の方は、山肌に木を張り付けるようにして表現してみたいと考えました。何本か重ねていくことで生い茂る山肌にならないかと思ったわけです。まだまだ時間がかかりそうですが、内職のようにして木の製作作業を続けていろいろな木を製作していこうと思っています。山肌がある程度形になってきたらまた記事にしたいと思います。

新しいレンタルレイアウト「なごみ」さん訪問記

2022年5月いっぱいで彦根アルプラザ6階でのお店を閉じられた「ライブリースペース和(なごみ)」さん。これまで自分も県内の鉄道模型友人たちと年に1~2回、お盆と正月に運転会をさせていただいていました。その頃私はまだ特別支援学校の教員をしており、年に数回あるかないかの彦根での終日運転会を大変楽しみにして、持ち込む車両のメンテナンスをしていたものです。だいたい店舗の開店時間と同時に運転会をスタートして、お昼は同じ階にある食堂で友人と模型談義をしながら食事をとったものでした。なごみさんでは、館内食事の割引券をいただいていたので大変助かりました。レンタルレイアウトは大変大きなレイアウトで、当時国内最大級の規模でした。車両が見えにくいところにはモニターカメラがあり、映像で模型の走行状態を確認することができました。カーブ部分もたいへん緩やかで、半径が2メーター近くあり大変実感的な走行シーンを心行くまで楽しむ事ができました。持って行った車両を変えながら、全ての車両を走行させた頃にはもう夕刻になっていて、車両を撤収しなければならない時刻になってしまっていたことを覚えています。毎回ながら、楽しい時間はあっという間に過ぎてしまいました。

2022年の5月で店を閉じられて、機材等全て撤収された後に店主さんから「自宅で新しいレンタルレイアウトを製作しています」との嬉しいお知らせをいただきました。一度、製作途中のレイアウトを見せて頂きにご自宅に行ったことがありました。離れを外壁から塗装をやり直されて信州のペンションのような爽やかなライトブルーにされ、2階に16番ゲージ専用の素晴らしいレイアウトを製作されていました。その大きさに圧倒されてしまいました。

2023年の4月になって店長さんからレンタルレイアウトのプレオープン企画のお誘いを受けました。さっそく4月19日の終日の運転を予約させて頂きました。当日はSL北びわこ号、サロンカーなにわ、特急つばめ、急行きたぐに等、機関車を変えながら運転が楽しめる客車の長編成を持ち込ませていただきました。大変緩やかなカーブをはじめ、よく考えられて敷設された線路を走る車両を、また新たな視点から見させてもらうことができて大変楽しかったです。

昨年の秋頃より、店主がほぼお1人でご自宅離れの改装作業をされて、2階に約20畳の素晴らしい16番ゲージのレイアウトを製作してこられました。正にレンタルレイアウト和さんの復活です。今回はプレオープン企画ということで、無料で約半日の運転を堪能させていただくことができました。全部で5線の線区が設定されており、機関区とヤードを使った複雑な運転から短編成の編成をのんびり運転できるローカル線まで、大変扱いやすいコントロールパネルで楽しむ事ができました。正式にオープンされたらきっと人気のレンタルレイアウトになることは間違いなさそうです。自分もまた県内に住む鉄道模型友人を誘って、以前のように運転会をやってみたいと思いました。今回プレオープン企画に招待して下さった店主様に、この場をお借りしてお礼申し上げます。ありがとうございました。