今回の「良き国鉄時代」は、自分が1974年から1977年までに撮影した国鉄湖西線での写真を紹介します。すべてアサヒペンタックスSPFで撮影した写真で、55mmの標準レンズと135mmの望遠レンズを使った写真をスキャンしたものになります。色褪せた写真については、画像修正していますのでご了承ください。湖西線は1974年7月20日に東海道線の山科と北陸線の近江塩津を結んだ全線高架の線区です。ほぼ直流区間ですが、開業当時は永原と近江塩津の間にデッドセクションがあり、セクションの北側線区は交流区間でした。開業の時、自分は中学2年生で今は亡き父親と開業した日に早速乗りに行きました。新車の匂いがする113系700番台と懐かしい感じのキハ26系の初乗り鉄を楽しんだ記憶があります。
上の画像は湖西線開業日に、自分たちが初乗車した113系の側面行先表示になります。緑地に近江今津の表示が大変綺麗でした。湖西線の文字のバックは赤色で前面にも使われていました。湖西線の113系は耐寒設備のある車両が新製された700番台が使われていました。開業当時は6両貫通の編成でした。直流区間の終わり、永原が終点になっていました。
上の画像は開業日の近江今津から近江塩津に向かう気動車の前面展望写真になります。線路とバラスト、そして架線柱にトンネルポータルの全てが真新しく大変綺麗でした。近江今津から近江塩津までは敦賀第一機関区のキハ26系2連が使用されていました。急行色カラーの2両編成気動車が、近江今津~近江塩津・敦賀を行ったり来たりして運転されていました。重々しい走りで、ブレーキが掛かるとさらに重たい音がしていたのを覚えています。
上の画像は1976年に撮影した写真です。永原駅を俯瞰する陸橋から撮影したと思われる、475系の急行「立山」大阪発金沢行きになります。この頃の「立山」はビュッフェ1両にグリーン車2両を繋いだ堂々12両編成で運転されていました。後追いの写真になります。鉄道模型では今回のYouTubeで再現していますのでご覧いただければと思います。
上の画像は1977年に撮影した大阪発富山行きの485系特急「雷鳥」になります。ボンネットスタイルで字だけのヘッドマークが美しかったです。永原~近江塩津間で撮影したものと思われます。
上の画像は1976年に撮影した新潟発大阪行きの特急「北越」になります。永原駅を俯瞰するポイントで撮影したものです。右上に木造の建物が見えますが、以前の西浅井町役場でしょうか?その向こうに見える3階建ての建物は、新しく建て替えられた永原小学校のようです。余談ですが、この頃から公立の小中学校が木造校舎から近代的な鉄筋コンクリートの校舎に建て替えられていた時代でした。
上の画像は、1977年におそらく永原駅近くから撮影した485系特急「北越」になります。はるばる新潟からやってきて、大阪を目指して湖西線を走っていました。この頃はどうやら湖西線の撮影には長浜から割とアクセスし易い場所ということで永原駅付近に出掛けていたのだと思います。
上の画像は、1977年におそらく永原駅近くから撮影した12系臨時急行「加賀」金沢発大阪行きだと思います。敦賀に新製配置されたEF81形交直両用電気機関車が終点の大阪まで牽引して活躍していた頃でした。12系客車と14系客車で運転されていました。
上の画像は1976年に撮影した、富山発大阪行きの特急「雷鳥」になります。このポイントも永原駅の南側、陸橋から撮影したものと思います。
上の画像は1977年に近江塩津~永原間で撮影した臨時急行「加賀」大阪行きかと思います。この「加賀」は14系客車列車12連で運転されていました。牽引するのは敦賀第二機関区のEF81になります。湖西線ならではの高架を行く列車を撮影できるポイントで気軽に撮影に行っていた場所です。写真右端のトンネルを抜けたら近江塩津駅になります。そのあたりに直流から交流に切り替わるデッドセクションがあったようです。逆光なのが残念ですが、全編成を納められている写真で気に入っていました。湖西線の電気機関車牽引列車は寝台特急「日本海」や後に登場した「トワイライトエクスプレス」があり、コンテナ貨物列車もありました。今はEF510がコンテナ貨物に活躍しています。もっと湖西線に通って撮影しておいたら良かったと後悔しています。自宅から遠い場所だったので、当時撮影する機会が少なかったのでしょう。今回は以上になります。
今回、湖西線を取り上げたことで是非紹介させて頂きたいことがあります。2020年の4月に56歳で急逝された鉄道写真家の清水薫さんのことです。湖西線をはじめ滋賀県を中心に風景と鉄道をこよなく愛された素晴らしい写真家でした。滋賀鉄道模型愛好会でも清水薫さんの写真展と運転会をコラボして開催したこともありました。また追悼写真展も長浜鉄道スクエアにて開催させていただきました。清水薫さんの代表的な写真集「琵琶湖を巡る鉄道~湖西線と10路線の四季」、サンライズ出版刊をこの場をお借りしてお勧めしたいと思います。是非、ご覧になって下さればと思います。美しい風景に溶け込んだ列車の写真の数々に心癒されること間違いなしです。今回も最後までお読みいただきましてありがとうございました。